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HOMEStudy RoomBooks 2015

書斎 - Books 2015

最近読んだ小説の数々を平積みになった本の中から、順不同にピックアップしていきます。それと感想をちょっぴり。
※ 簡単な感想を併記していますが、やっぱり表現が難しい。自分でも駄文だとは思いますが、仕方ないですよね。それにしても、ついさっき読み終わったばかりの本だというのに、内容の大半がはっきりと思い出せない・・・。どうしたものか・・・。
※ 一部ネタばれしていますので、未読の方は、ご注意ください。
※ 画像は全て所蔵する現物をスキャンして得ています(帯があるものはそのまま)。従いまして、このイメージの2次使用を禁止いたします。

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2015.12

the_brides_stories_otoyome_gatari_8"The Bride's Stories 8" - 「乙嫁語り 第8巻」

「第5の乙嫁パリヤは結婚できるのか?」という帯が付いていますが、パリヤってはて?。なんて情けない(?)状況から読み始めましたが、何となく直ぐに思い出すことができました。
でも最初のエピソードは、アニスとシーリーンの姉妹妻の話だったりするのです。ちょっと危ういかな、という関係でしたがアニスと旦那様の性格から言うと大丈夫なようです。ほんわか、微笑ましく感じてしまいました。
さて、パリヤですが(笑)、色々と結婚するためには色々と問題があるようです。本人もそこのところはよく理解しているようですが、性格、習慣などは早々簡単に直せるものではありませんし・・・。
でも、努力する姿勢は立派です。色々と悩むところも微笑ましく思ったりします(本人は真剣で、一生懸命なんですが)。
そんなこんなで(?)、カモーラともお友達になったりするのですが・・・。今後の展開が楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_8「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8」

やっと読み終えました。本当にしばらくぶりに読み終えた、という感じです。
いえ、年末進行(?)のせいで色々とやりたいこと、やらねばならないことがあって、つい読みそびれてしまったいたのです、はい。ちなみに年賀状は先日書き終え、投函してきました(笑)。
でもまぁ、本当に面白ければ、どんなことがあっても(夜を徹してもでも)読んでしまうものなんですが。ということは、本巻はそれほど面白くなかった、ということでしょうか。
えーっと、素直な感想から言うと、これまでの感じとはちょっと異なってきて、とまどっていた、というのが本当のところでしょうか。比企谷の自虐ネタが鳴りを潜め(?)、観測、推測(邪推?)、内省、自己批判などが多くなり、考えさせられることが多かったのかなぁ、と感じています。雪ノ下、由比ヶ浜との間もぎくしゃくした空気が漂い、依頼解決には今回、各自で当たることにすらなってしまいます。それが、比企谷の言うように「必然」であったのかどうかは良く分かりませんが。そして、失ったものは2度と取り返すことできない、馴れ合いは最も嫌うべきもの、本物を探し求めてきたのに・・・と。
まぁ、色々と考えることもありますが、次巻の展開に目が離せそうにもないのも本当のところ(?)です。あっと、それから小町は可愛いですね。川なんとかさんも(笑)。彼女たちの今後にも目が離せそうにありません。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_7.5「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5」

外伝っぽい扱いの(?)第7.5巻です。そして、奉仕部の活動として「千葉県横断お悩み相談メール」の返信がきっかけとなっています。
ただ、今回のエピソードの内、「嫁度」を競うコンテスト(?)はちょっとこのシリーズの雰囲気とは合っていないような印象を受けました。どっちかというと悪乗り、という感じさえ・・・。
柔道部の悩み相談は、いつもの比企谷という感じで楽しめました。比企谷自身は、柔道部への出禁を申し渡されるはめにはなってしまいましたが。
次巻も読むのが楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_7「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7」

このシリーズも第7巻となりました。今巻のメインイベントは「修学旅行」となります。
行き先は京都。定番ですね。そう言えば、「けいおん!」も京都でしたね。
で、この修学旅行ですが、比企谷はやっぱりそれなりにトラウマを抱えているようです。修学旅行ですから高校生で、都合3回めのはずですね。小学生、中学生のときの修学旅行にもいろいろあったようです。
そして今回の修学旅行ですが、クラスメイト(?)の恋路の応援を奉仕部で請け負っており、周囲の友人をも巻き込んで、ドタバタとします。その間にもちらと色々な人間模様が垣間見えたりしたりしながらも。
ここでも比企谷の人間観察が光ります。色々な言動から、その人の本当の依頼を読み解いたり、また彼なりの(彼にしかできない)解決方法を(いやいやながらも)その優しさゆえに実行したりします。「傷つくのは自分だけでいい。」と。
ちょっと人間関係が複雑になってきました(笑)。
TVアニメ第2期放送もこのエピソードからでした(よね?)。アニメでは描ききれない複雑な心境を、比企谷の視点から見て、何となく理解できたような(気がします)。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_6.5「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6.5」

平塚先生より奉仕部に新たな指令が、それは、「千葉県横断お悩み相談メール」。
そして、奉仕部はクラスの雰囲気を悪化させている相模南の立ち直りと体育祭の成功を補助する2つの依頼を受けることになり。
文化祭に続き、体育祭にも関わることになる奉仕部。また例によって遅々として進まぬ開催準備。
体育祭運営委員長の相模と一部現場班の部活メンバーとの感情的な対立があり、体育祭準備に看過できない遅延が生じる中、その対抗手段として比企谷が提案した方法とは。
相変わらずの比企谷の人間観察の鋭さが光る内容でした。その解決方法もまた常識の斜め下を行く(極めて)現実社会に即したもので、思わずにやりとしそうなものでした。
本巻は、時系列的に第6巻と第7巻の間の出来事を綴ったものですが、どうやら本編執筆の間に断片的に発表されてきたものをまとめたものらしく、「第6.5巻」となっています。また、ボーナストラックとして、ドラマCDのノヴェライズ(?)版が巻末に添付されています。内容が第9巻の後の出来事らしいので、とりあえず読まずに次の巻を読み進めるつもりです。

※ 2016.2.17 第9巻を読み終えましたので、改めて本巻の「ぼーなすとらっく!」の章を読んでみました。時はクリスマス。比企谷兄妹と雪ノ下、由比ヶ浜らは、クリスマスパーティを企画します。ストーリーは、そのプレゼントを購入することから描かれます。途中。平塚先生、戸塚、材木座なども合流し、楽しいクリスマスパーティになるのですが・・・。なかなか楽しいエピソードでした。これがドラマCDとして、この特装版に付録として同梱されていたんですよね。聴いてみたくなってきました(笑)。

2015.11

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_6「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6」

第6巻では、文化祭のドタバタが描かれています。
平塚先生の策略により、HRをサボった比企谷は文化祭実行委員を命じられます。そして実行委員会には、意外にも雪ノ下の姿も。また、比企谷のクラスからは女子の文実として「困ったちゃん(笑)」が参加(立候補)しており、実行委員長を申し出て、副実行委員長に雪ノ下を指名する(奉仕部の活動を根拠に)。その実行委員会の活動と文化祭でのドタバタにおいても比企谷の個性が光ります。
スローガンを決める際にも「『人 ~よく見たら片方楽してる文化祭~』とか」の意見も最高!。
雪ノ下陽乃、大爆笑「バカだ、バカがいる!」と。
更に文化祭最終日の実行委員長の失踪の時にも、彼女に一言、「本当に最低だな」と。よく言った、比企谷八幡。自身をスケープゴートに差し出す勇気に敬服します。また、ほんの少数ながら彼の真意を見抜いている人たちがいることにもほっとします。
TVアニメの第1期は、この巻までを描いていたように思います。次巻も読むのが楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_5「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5」

高校2年の夏休みもあと2週間で終わり。小町といつものように家で過ごす八幡。
そこに結衣が犬のサブレを預かって欲しいと訪ねてきて。また戸塚からの誘い、予備校の夏期講習会での川崎沙希からの依頼事、そして結衣、小町と花火大会へと。そこで、出会ったのは。
今巻の内容はこれまでと趣が少し変わって、比企谷八幡の内省模様に多くの頁が割かれているように感じました。ノリは一緒ですが、冒頭の小町の夏季休暇自由研究「花火の不思議:炎色反応」をキーワードに雪ノ下雪乃と関わる人たちとの織りなす模様を炎色反応と捉え、比企谷八幡もまたその一色として関わる自分を見つめています。うーん、ちょっとだけ(ちょっとだけですよ)考えてしまいました。次巻からは、また学校生活・奉仕部活動に戻ります(たぶん)。楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_4「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4」

夏休みに入ってもヒキコモリな比企谷八幡。しかし、平塚静は奉仕部に部活動を命じる。2泊3日の小学生の夏合宿におけるボランティア活動がそれである。小町に唆され、合宿へと連れだされる比企谷。そしてその活動には、奉仕部部員の他、戸塚、葉山らもが参加することになり。
夏合宿に参加するまでの経緯ももちろん、夏合宿での小学生との交流もまたとても面白く描かれています。比企谷の自虐ネタも炸裂。雪ノ下の冷たい皮肉にも果敢に突っ込む比企谷は最高です。
また小学生の「ぼっち」にも各人の視点から、その「ぼっち」解消の手段を探るときにも各人の性格が表れ、とても楽しい。とにのかくにも、比企谷のプロデュースにより、「ぼっち」解消の作戦が展開されるのですが、それがまた彼らしくて、やはり斜め下の解決策だったりするのです。それがまた物事の核心を突いているようでいて、誰もがいやな思いをする、素晴らしい方法だったりするのです(笑)。やっぱり、比企谷の性格が光ります。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_3「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3」

由比ヶ浜とのすれ違いから始まる「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」第3巻。そして、奉仕部から抜けた由比ヶ浜の人員補充を平塚静先生より命じられる雪ノ下と比企谷。
ということで活動を始めるのですが、例によってその過程でのドタバタが楽しい。全くもってアクションシーンは皆無であり、日常生活の断面を切り取ったかのような進行なのだが、そこは「ぼっち」の覇者である比企谷のこと、一筋縄では行きません。また、別の意味で「ぼっち」な雪ノ下もまた活動を始めるのだが、いかんせんスキル不足で、とこれもまた斜め上のドタバタ喜劇(いや、あまりドタバタではないか)。色々な地雷を踏みながらも、由比ヶ浜との関係修復しようと、彼女の誕生日プレゼントを考える二人であったが・・・。
雪ノ下は、猫好きで犬が苦手なんですねぇ。また比企谷は、妹の小町に頭が上がらず(シスコン?)うまくあしらわれていたり。そんなこんなでも、やっと誤解が解けて、カラオケパーティへ繰り出す奉仕部+小町+材木座の面々。
面白くて、やはり一気に読んでしまいました。次巻も楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_2「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2」

第1巻は冒頭で、「高校生活を振り返って」のレポートで、この第2巻では、「職場見学希望調査票」で笑わせてくれます。
比企谷八幡は、鍛えぬかれた「ぼっち」であり、そのような自分に対してある意味達観した姿勢で臨んでいます。また、人と異質であることを隠そうとせず、他人と迎合することを良し、とはしないようです。まぁ、卑屈であり、他者に屈することには躊躇がないようですが(笑)。
で、今巻においても比企谷の一人称で語られる彼の話には笑わせられることしきりです。なんといっても過去の自虐ネタが秀逸ですね。しかもいやみなく、さらっと語られるので、思わずくすっとしてしまいます。そんな彼にも幾人かが関わってくることになり、その彼等彼女等も個性的です。各人ともに悩みを抱えており、結果的に比企谷の機転により解決することになるのです。これもまた、常人とは異なる彼特有の人間観察の賜物かと。それがまた、なんだか新鮮で、まぁ、ご都合主義的なところも無きにしもあらずですがね。次巻以降も彼の活躍(?)が楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected_1「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」

図書館から借りて一度読んだのですが、古本購入をきっかけに再読してみました。
いやー、やっぱり面白い。比企谷の性格が最高です。
「青春」時代の多感な様子がうかがえます。比企谷は基本、頭は良いのでしょう。ですが、他者と自分との間に妥協することがへたくそで、結果「ぼっち」に甘んじているのでしょう。雪ノ下もまた方向は違いますが、同じように他者と容易に馴染むことを良しとしない性格なのでしょう。特に容姿が優れていることからの他者からの嫉妬、やっかみに晒されてきたこともまたその性格を頑ななものにしたようです。そのような両者がほんのささいな偶然から交わることになりますが、比企谷は「斜め下」、雪ノ下は「斜め上」な視線でもって、両者は容易に交わることを拒否します。そこの落差がまた楽しい。
次巻を続けて読めることが、楽しみになってきました。

coppelion_24"COPPELION 24" - 「コッペリオン 第24巻」

「幻龍」とのランデブーを果たすため、海ほたるへと向かう、荊たちと渋谷の生存者たち。ただ、それを阻む様々な困難が。そして、ついにイエローケーキの首領が、京都会議の場に姿を現す。一方、石棺の再臨界が迫る中、イエローケーキは、石棺に弾道ミサイルを打ち込むことを画策し、世界を脅そうとします。果たして、渋谷の生存者たちは、無事幻龍と邂逅し救助されるのかどうか・・・。
これまでもそうですが、もう敵、味方がワケ分かりません(笑)。敵対していたコッペリオンとも死闘を繰り返す内、共闘することもあり・・・。歌音も言っていました、「市川迷砂・・・!?」「こいつ・・・敵か味方かどっちだっけ!?」と。・・・やっぱり、そうですよねぇ(笑)。
しかし、荊は希望を見失うこと無く、困難に立ち向かい、渋谷の生存者たちを率いていきます。健気です。思わず応援したくなります。そして、ついに海ほたるで幻龍とランデブーしたとき、荊たちコッペリオンたちは、この東京での最後の任務に着くことを決断します。次巻以降も波乱の予感。読むのが楽しみです。

sword_oratoria_5sword_oratoria_5_pumph「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 5」

シリーズ題5巻、最新刊です。
前人未到域の59階層からの帰還中に毒蟲の大群に襲われたロキ・ファミリア一行が、18階層にて解毒剤が調達されるまで足止めされているとき、同じく上層より避難してきたベルたちと邂逅を果たします。59階層へ遠征に行く前は、Lv.1で上層を冒険していたベルが、思いもかけず、Lv.2にランクアップを果たし、中層へと進出してきたことに驚きながら。
そして、18階層での本編では語られなかったエピソードが描かれています。もちろん例の「のぞき」のエピソードは、再録されていますが(笑)。
作者もあとがきで記しているように本編との齟齬は見当たりません。そーかぁ、そんなことが、と思わせられるうまい作りになっていました。次巻の発刊が待ち遠しく感じます。

sword_oratoria_4「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 4」

前人未到の領域、ダンジョン59階層への進出へ向け、過酷な訓練に明け暮れるロキ・ファミリアの第1級冒険者たち。前巻で正体を現した人と怪物(モンスター)との「異種混成(ハイプリッド)」、「怪人(クリーチャー)」、そして「強化種」との遭遇戦に備えて。
一方、アイズはベルとの特訓で、指導することの喜びを見出し、ベルの成長に目を瞠ることになる。またレフィーヤとでは、「並行詠唱」の特訓をベルとの特訓の後に続けて行うことに。
そしてついにダンジョン59階層へ挑む時が。その遠征途中、上層でLv.1のベルがミノタウロス撃破に立ち会うことになり、衝撃を受けるロキ・ファミリアの第1級冒険者たち。
とにかく、58階層、59階層での死闘が「すごい」。中層、上層でのモンスターとの死闘とは様相がまるで異なり、まさに激闘の様子が描かれます。ロキ・ファミリアの3人のLv.6冒険者、フィン、ガレス、リヴェリアの奮戦が見応え(読み応え?)がありました。レフィーアの頑張りもよかったです。本編では語られなかったロキ・ファミリアの遠征にこのような意味があったとは。
次巻からも目が離せません(笑)。

sword_oratoria_3「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 3」

シリーズ第3巻となります。
ギルドに勤めるエイナがロキの元へソーマ・ファミリアについて情報を得るために訪れているところから物語が始まります。そのエイナが、アイズが会って詫びたい、と思っているベルのアドバイザーだとは知らずに。そして、アイズは、Lv.6へのランクアップを果たします。
また、その後で本編にもあるように、アイズはエイナからベルがダンジョンで危機に陥っているかもしれないため、そのサポートを個人的に依頼され、単独で10階層まで赴きます。
そこで無事、ベルを窮地から救うも会話を交わすこと無くすれ違い・・・。そして、そこでまたアイズは黒ずくめのローブを纏った謎の人物からのクエストを受けることになり・・・。本編とは別ストーリーの謎に挑むことになります。
そしてまた新たなキャラクタが登場します。そしてオラリオを壊滅させようとする謎の集団との死闘。次々と襲いかかるモンスターたち。アイズはパーティから孤立させられ、同格の相手との一騎打ちへと。もう、息もつかせぬほどのアクションシーンの連続です。どんどんと不利になる戦況の元、起死回生の魔法を紡ぐレフィーヤ。様々な想いが語られ、そして死闘の間に明らかになっていく、敵の(驚愕の)正体。うーん、面白くて一気に読み進めてしまいました。また、本編との関わり-アイズとベルの秘密特訓-が描かれ、なるほどと思わせるアイズの想いも明らかになり、興味が尽きることがありませんでした。次巻も楽しみです。

sword_oratoria_2「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 2」

シリーズ第2巻です。「外伝」となっていますが、本編と並行してアイズ側のストーリーが語られています。また、本編とは別の謎もあり、アイズの生い立ちについても徐々に明らかになっていくようです。そして、話はベルが初めての魔法を使い過ぎて「精神疲弊(マインドダウン)」により昏倒している現場に遭遇するまでが描かれています。
それまでにアイズが一人で「階層主(ウダイオス)」との戦闘にて単独撃破した経緯と、そうまでした動機が明らかになります。また、ウダイオスとの戦闘で得たドロップアイテムについても触れてあり、実はそれが本編(第5巻)で重要な役割を果すことになります。すでに本編を読んでいた身としては、にやりとする伏線となります。またさらに、次々と重要なキャラクタが登場しますが、本編では、この外伝に記されている頃よりずっと後になって登場するキャラクタでもあります。そのあたりの描き分けもまた読んでいて楽しい仕掛けですね。
次巻もまた本編との関わり方がどのように描かれていくのか楽しみです。

coppelion_23"COPPELION 23" - 「コッペリオン 第23巻」

前巻からだいぶ間が空いてしまいました。前巻までの内容をまるで覚えていません(汗)。でもまぁ、この巻全部がアクションシーンの連続ですので、何とか(?)なったかな、と(笑)。
東京脱出を目論む荊たち保健係の3人と小津姉妹に率いられる渋谷の生存者たち。それを阻む忘れもの係とイエローケーキの戦闘員たち。政府から乗っ取った潜水艦「幻龍」が羽田に到着するも未だ合流できない荊たちと生存者たち。果たして、東京からの脱出は可能なのか。
というところで、すったもんだがあるわけですが、次々と起こる難関を如何に突破するかが見どころとなっています。その間にもコッペリオンの秘密とそれを奪取しようと画策するイエローケーキとの格闘もまた繰り広げられるわけです。様々な伏線が錯綜し、事態は混迷を極めますが、荊たち渋谷の生存者たちはひたすら脱出を目指します。とにかく、こまかな設定を覚えていなくても(笑)、ストーリー展開に目が離せず、一気に読んでしまいました。
次巻も直ぐに発売されるようです。読むのが楽しみです。

sword_oratoria_1sword_oratoria_seal「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア」

「ソード」とは【剣姫】である「アイズ・ヴァレンシュタイン」を指すようです。したがって、この外伝は、【剣姫の神聖譚】ということになります。
本編は、「ベル・クラネルの英雄譚」であり、その物語と並行してアイズ・ヴァレンシュタインの物語が語られています。本編がベルの一人称で語られるのに対してこの外伝は、アイズの3人称で語られています。
アイズの視点からベルとの出会い、そしてその時の心情などを垣間見ることができ、ちょっと新鮮な気分でした。第1巻は、「怪物祭(モンスターフィリア)」までが描かれていますが、本編とは様相がちょっとだけ違い、興味が湧く展開となっています。次巻が楽しみです。

2015.10

dungeon_ni_deai_9dungeon_ni_deai_9_pumph

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 9」

あっという間に第9巻、最新刊です。これまで、影の存在であったギルドの主神がついに姿を現します。
一方ベルは、初めての19階層で、人語を解するモンスターと出会い、他のモンスターからそして冒険者たちからも襲われるのを見て保護してしまいます。その種族は「ヴィーヴル(竜女)」。ウィーネと名付け、ファミリアで保護することになったが、彼女の存在そのものが神達にとっても「異常事態」。
また冒険者たちの中にもこのような人語を解するモンスターを執拗に狩るファミリアがあり、密かに捕獲し、オラリオ外に密輸していることが判明。そして、ギルドの主神ウラノスがベルに「強制任務(ミッション)」を課す。ダンジョンの20階層にある指定された場所へ赴く【ヘスティア・ファミリア】の団員達。
なんか、英雄譚、冒険譚とちょっと離れて大変な話になってきました。ヒューマン、亜人(デミ・ヒューマン)、神さま、そしてモンスターを全て巻き込んだ試練、というか。うーん、ちょっと解決の目処が立ちませんねぇ。クエストとしも重すぎるような・・・。でも、このような話、大好きです(笑)。次巻が待ち遠しい、ですね。

 dungeon_ni_deai_8dungeon_ni_deai_8_pumph「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 8」

この巻では、ダンジョンダンジョンせずにオラリオの通常風景を描く、ということでしたが、街外では、王国と(なんと)戦争しているのです。ただ、オラリオの冒険者たちは桁違いに強くて、王国は侵略する側でありながら全く相手にならないのでした。ということで、オラリオでは通常と変わらぬ生活が営なわれているのでした。
「軍神アレス率いる王国(ラキア)軍。迷宮都市へ進撃する軍勢その数、三万。迫りくる軍靴の音に、オラリオは─何も変わらなかった。」
ここで、ついにベルのスキル「リアリス・フレーゼ」がファミリアの全員に知られてしまいます(知らぬは本人ばかりなり)。また、シルの私生活もちらりと明らかに。そして神様たちとヒューマン、異人(デミ・ヒューマン)と様々な恋愛模様がベルを中心に描かれます。やっぱり、リリは健気です。エイナさんはお姉さんです。そしてアイズは天然です。
けっこう読み応えがありました。それから、今巻で第2部が完、らしいです。次巻から第3部が始まります。楽しみです。

dungeon_ni_deai_7「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7」

新しいホームへの転居作業の最中に2億ヴァリスの借用書が明るみに出てしまい、【ヘスティア・ファミリア】は借金漬けの爆弾【ファミリア】と認知されてしまう。おかげで、新たな入団希望者は皆無となり、【ファミリア】の経営はリリが管轄することになる。
とまぁ、【ヘスティア・ファミリア】は順風満帆ともいかず、更に今回もまたファミリア同士の抗争に巻き込まれてしまい(原因を作ったのはベルたちなんだけどね)、オラリオの歓楽街が戦場となってしまう。そこで、ベルが死闘を繰り広げるのですが、相手は、Lv.5 とか Lv.4 であり、全く歯が立たない敵と闘うことになり、またもやはらはらさせられてしまうのでした。
果たしてベルと命(ミコト)は、春姫を苦界から救い出すことができるのか。うーん、楽しかったぁ。飽きずに一気に読んでしまいました。次巻も楽しみです。

dungeon_ni_deai_6「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6」

続けて第6巻(笑)。
ダンジョンより帰還したベルたち。そこに待ち受ける【アポロン・ファミリア】の陰謀。かたや、リリは【ソーマ・ファミリア】からの脱退を希望するも逆に抗争の最中にファミリアにとらわれの身に。そして勃発する【アポロン・ファミリア】との抗争、代理戦争(「戦争遊戯」)。互いのファミリアの存亡を賭けて攻城戦で決着をつけることになり。方や眷属百名以上を抱える強大なファミリアに対し、眷属がベル一人の【ヘスティア・ファミリア】。
そのような劣勢においてもヘスティアの元に参集する仲間たち。次々とファミリアに加わることになり。リリも紆余曲折もありながら、晴れて【ヘスティア・ファミリア】の眷属になることができました。ここらへんのストーリー展開はこれまでのいきさつが脳裏をよぎり、感慨深いものがありました。リリちゃん、よかったね。
「戦争遊戯」の展開もスリルがあり、息つく間もなく、一気に読み進めてしまいました。楽しかったぁ。
次巻も続けて読むつもりです。楽しみです。

dungeon_ni_deai_5「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5」

(あっという間の)シリーズ第5巻です。
世界最速兎で Lv.2 になったベルは、リリとヴェルフの3人パーティを組み、初の中層(第13階層)攻略に挑む。だが、他のパーティにモンスターを押し付けられ、更に落盤事故に巻き込まれ、壊滅の危機に陥る。そこで止む無く上層への帰還を諦め、更に危険な下層にある安全地帯(第18階層)を目指すことになる。次々と襲いかかる困難。最後に立ちはだかる階層主ゴライアス。
ハラハラしっぱなしのダンジョン攻略が続きます。最後には満身創痍になりながらも第18階層にたどり着き、ほっとしているのもつかの間、階層を超えてゴライアスが襲来するとは。しかも更に強力になった階層主との総力戦になるとは。最後まで目が離せませんでした。そして、ここに始まる【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】。とても楽しく読めました。次巻も期待大ですね。

dungeon_ni_deai_4「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 4」

史上最速で Lv.2 になったベル(世界最速兎-レコードホルダー)、そして二つ名は「リトル・ルーキー」。ただ、ダンジョン侵攻にもソロでの攻略にも限界があり、パーティメンバーを求めるベルに対し、鍛冶師ヴェルフ・クロッゾが加わることに。
そのヴェルフもまた、ただの鍛冶師でなく、魔剣貴族の正当な子孫でありスキル無しでも魔剣作成できる鍛冶師であった。
なんだか役者が揃ったような感じですね。この巻では、次の階層へ進出すべく準備する様子が描かれており、おそらく次巻にダンジョンでの冒険が始まりそう。次巻以降も期待大、ですね。

dungeon_ni_deai_3「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3」

第3巻、第1部完です。
憧れの【剣姫】アイズと戦闘訓練することになったベル。一方、フレイヤによる「ちょっかい」が、ベルを見舞うべく、最強のミノタウロスが準備される。
そしてついに Lv.1 のベルと Lv.2 のミノタウロスとの死闘が繰り広げられる。圧倒的なレベル差の前に翻弄されるベル。トラウマも手伝って、絶体絶命の危機に陥るが、その窮地を救うべくアイズがまたもやベルの元に駆けつける。その時ベルは、冒険者としての「初めての冒険」を。
ベタな展開ですが、素直にストーリーを追っていけて、わくわくしてしまいます。ミノタウロスとの死闘の末、ベルは駆け出しの冒険者から新米冒険者(ルーキー)へと成長を遂げる。
次巻がとっても楽しみです。

dungeon_ni_deai_2dungeon_ni_deai_shiori_2dungeon_ni_deai_shiori_1dungeon_ni_deai_shiori_3「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2」

第2巻です。前巻まででTVアニメ第3話までの内容までとなっていました。この巻からの内容は、第4話以降になるはずです(今現在は、第3話まで放送しています)。第4話は「弱者」というサブタイトルでしたので、おそらくは、リリのことではないかと。
この第2巻からサポーターとして、リリルカ・アーデが登場します。種族は、パルゥムというらしいです。初耳です。要は小人族というものらしいですが。
そして、リリがベルの正式なサポーターとして仲間になるところまでが描かれています。サポーターという職業(?)は初めて耳にしましたが、リリがとても苦労して、そして過酷な運命に耐え、虐げられてきた経緯が語られます。ベルと出会うことにより救われる様に(恥ずかしながら)うるっと来てしまいました。ベル君、善人過ぎ!(笑)。

dungeon_ni_deai_1dungeon_ni_deai_seal「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」

初めて本作品を書店で見かけた時は、またライトノベルらしく「お子ちゃまな」ダンジョン、剣と魔法の(主人公が理不尽にハーレム状態になる)ラブ・コメかな、と先入観を抱いておりました。
でもTVアニメの再放送を見る機会があり(いや、毎週欠かさず見ているのですが)、すると見方が変わり、原作を読んでみたくなり、本書を手に取ることになりました。ということで、これが正解!。とても面白かったです。
確かにライトノベルです。さくっと読めてしまいました。複雑な謎はありません。ベタな展開です。主人公は本当に「善人」です。でも読んでいてわくわくしてしまいます。主人公が善人で単純なのでたやすく感情移入できました。そう、何も考えずに主人公に付いて行って同じように行動すれば、それだけでいいのです。
読後感が爽快です。おそらくは、英雄譚として物語は進むのでしょうか、今後の展開が楽しみです。

the_scorch_trials"THE SCORCH TRIALS" - 「メイズ・ランナー 2 砂漠の迷宮」

「メイズ・ランナー」の続編です。前巻でメイズから逃れたグレーターたちに、次に待ち受ける運命は、新たな試練(トライアル)だった。地球壊滅の危機に陥った人類。太陽フレアの異常により、地球が焼かれ壊滅状態に陥った人類に更にフレアなるウィルスが襲いかかり、人類は滅亡の縁に立っています。その状況を打開すべく集められた少年・少女に課せられる過酷な試練。
ということらしいですが、それが何故メイズなのか、砂漠の迷宮なのかは未だ謎のままです。それでもトーマスたちは必死に生存の途を探ります。そして、今巻で新たなる仲間の登場。Bグループの合流、と予想できない展開となります。またサバイバルアクションの連続の中にも、やはり謎が解けずにそれがプレッシャーとなり、読者をも巻き込んで次の展開に目が離せなくなっています。次巻でその謎が全て明らかになるのでしょうか。気になります!(笑)。

the_maze_runner"THE MAZE RUNNER" - 「メイズ・ランナー」

「メイズ・ランナー」映画化原作です。小説自体は、2009年に発刊されたらしいです。
まず、登場キャラクタが少年・少女(少女は一人だけですけどね)であることから、ジュブナイル系の軽い読み物かな、と想像していました。でもあにはからんや、ストーリーが進むに連れ、直ぐに絶望的な状況であることが明らかになっていきます。また、トーマスが送られてきた時より状況は更に悪化。常に死と隣り合わせの日々となっていきます。
その中で、希望を失わず、必死に生き延びようと、メイズから脱出しようと努力する主人公たち。メイズの謎を解き、メイズから脱出したトーマスらが見た驚愕の事実。ただ、状況は更に複雑さを増し、更に絶望的な現実が待ち受けている予感が・・・。
けっこうスリルとサスペンスに溢れ、読むのが楽しかったですが、いっこうに明らかにならない謎に多少イラつくことも。また、混沌とした状況が、その目的も分からず不満が残ります。次の展開の予想が全くつかず、そういう意味では、退屈せずに読み進めることができましたが。

accel_world_19accel_world_19_pumph_2accel_world_19_pumph_1

"accel world 19" - 「アクセル・ワールド 19 ─暗黒星雲の引力─」

シリーズ第19巻目で、オシラトリ・ユニヴァース(=加速研究会)への戦闘準備を整えることにこの巻まるまる費やしています。といっても総力戦であることから、ここに来てネガ・ネビュラスのレギオンメンバーが劇的に増えることになります。有田家のリビングルームに参集した女性陣だけでも10人。そのうち一人はかつての仇敵であったあのマゼンタ・シザーだったりするのです。各人の想いはそれぞれですが、この決戦に共に闘うという意思は、共通です。
そしてこの巻で明らかになったブレイン・バーストの存在意義と7番星「揺光」<ザ・フラクチュエーティング・ライト>の意味。微妙にソードアート・オンラインとの繋がりを感じさせますね。
さて、次巻に向けていよいよ盛り上がってきました。次巻が発刊されるのが待ち遠しく思います。

hamanura_nagisa_keisan_note_3「浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学」

シリーズ3冊目です。大概このようなシリーズでは、3冊目ともなると少々中だるみ(?)的な様子を現すこともありますが、「浜村渚の計算ノート」は違います。
怒涛のごとく新キャラが登場し、それもまた個性的でかつ魅力的な人たちばかりです。犯行側は魅力に欠ける場合もありますが。
また数学分野といっても様々なものがあり、論理学、集合論、さらには気象学を含む物理現象の解明、発症までの工学的手段の開発、などなど思いもよらない広がりを持って、ストーリーもバラエティ豊かです。
sin/cos(三角関数)の説明に恋愛感情を用いるとは秀逸!。あぁ、学生時代に出会っていれば、「数学とは理解すること」だと分かっていれば、もう少し数学に興味を持つことができたのに、と思えてなりません。
次巻も楽しみです。

rokka_no_yusha_6rokka_no_yusha_6_pumph_1rokka_no_yusha_6_pumph_2「六花の勇者 6」

─そしてついに「7人目」のすべてが明らかになる!。世界を救うことを誓い、復讐に命を懸けてきた少年に突きつけられた真実とは!?。
シリーズ最新刊です。
アドレットとフレミーに突きつけられた過酷な運命。テグネウの策略の前に全ての希望が潰えた先に見た二人の愛の行方。今巻もまた作者の思惑通りに誘導されて、誘導されるままにはらはらしながら、一気に最後まで読んでしまいました。「愛は奇跡を起こす。」のですが、その「愛」そのものも陰謀のひとつだと知った時、主人公たちのとった行動とは。テグネウとの最後の決戦の行方は・・・。また、まだまだ謎は残っていそうです。次巻が楽しみです。

rokka_no_yusha_5rokka_no_yusha_5_pumphrokka_no_yusha_5_shiori「六花の勇者 5」

読み始めると面白くて、一気に最後まで読んでしまいました。意外にも(?)前巻の内容がうろ覚えでも何とかなって、十分楽しむことができました。
前巻で明らかになった「黒の徒花」の正体。その聖具の持つ能力とは。それを調べるため、<運命>の神を祭る神殿に集う「六花の勇者たち」。そこで明かされる聖具の秘密。しかも聖具はすでにテグネウにより発動され、アドレットは苦悩する。また、その時もまた7人目の暗躍が。と息もつかせぬ展開と深まる謎に、読んでいて翻弄されてしまいました(笑)。
そして、ついに明かされる「7人目」の正体とは・・・。
うーん、やっぱりストーリーテラーですね。次巻がとても楽しみです。

hamanura_nagisa_keisan_note_2「浜村渚の計算ノート 2さつめ ふしぎの国の期末テスト」

読み始めるとあっという間に最後まで(笑)。ミステリ+数学ファンタジーものです。数学をタネにしたミステリで謎を解く鍵が全て数学にまつわるエピソードとなっています。
特にサブタイトルにあるように「ふしぎの国のアリス」から数学的観点を導き出す様は、とても新鮮でした。楽しく語り部たる武藤龍之介と一緒に考え込んでしまいました。
また今巻は重要な(と思える)キャラクタが登場します。友人の長谷川千夏、楡小路ルイ、そしてキューティー・オイラー。彼女らが絡んだ事件が起きそうな予感(!)。

2015.9

haganai_11haganai_11_pumph「僕は友達が少ない 11」

昨年10月に第10巻を読んでから、約1年ぶりに第11巻(最終巻)を読むことができました。
あとがきにもありましたが、「まるまる1冊、エピローグ」です。高校卒業までの約1年間(433日間)が1冊にまとめられています。本当に、あっという間に過ぎ去った1年が描かれていました。そして幾人かの将来の姿についても触れられていましたね。
素晴らしい高校生活でした。隣人部のその後の話はありませんでしたが、各人の心のなかにある隣人部は青春の輝きの中で永遠に存在し続けるのかな、という感慨を抱かせるものでしたね。
「心に残る今。」というのもうまい言い回しですね。ほのぼのとした読了感です。楽しかったです。

shinkanron「韓国人による震韓論」 - シンシアリー "SincereLee"

シリーズ第4弾ですね。読み物としてすんなりと読み進められました。
韓国で生まれ育ったシンシアリーさんが、愛する自国の反日の様について様々な観点から述べられた本であり、いわゆる他の「嫌韓本」とは違って(私は)けっこう信頼、信用しています。そこには事実より分析した、韓国の本当の姿を浮き彫りにしたものがあると思えるのです。
そのことからも韓国の反日、反日でなければ成り立たない韓国という国、の実情がかいま見えるわけですが、やっぱり(私としては)日本人として簡単に理解できるものではありませんでした。
以前より、シンシアリーさんは、「反日教」という宗教であり、理屈でなく信仰であると言われていますが、そのように納得せざるを得ないのでしょうね。
また、教育の問題にも触れられていますが、幼少より「反日」教育が徹底されており、戦後一貫して教育されてきたゆえ、その教育で育った世代が国民の大半を占めるようになったこと、もはや思想教育による全国民洗脳レベルにあるのではないかと。
安倍談話については、日本としてどのような国を目指すのかを国民に、全世界に発信したものと(私は)思っています。過去は反省すべきは反省し、同じ徹は踏まないように歴史に学ぶべきだとは思いますが、その反省・謝罪にのみ目を向けることは無い、と考えています。としてみると、韓国が日本に対し謝罪を求めるのは、「やくざのいいがかり」と等しく思われます。毅然として対処すべきだと思います。そういう意味でも、「安倍談話」は(私は)評価しています。

rokka_no_yusha_4「六花の勇者 4」

ナッシェタニアとドズーから一時同盟を申し込まれた「六花の勇者たち」。そこで明かされる紋章の秘密。やむなく同盟を結んだ一行にテグネウの最大の切り札「黒の徒花」と呼ばれる存在を知る。
その正体を明らかにするべくその聖具が作られた神殿へ向かうが、それを阻む屍兵の群れ。実は彼らはアドレットの村のものを含む人間の屍が操られていたのだった・・・。
屍兵とそれを操る凶魔(凶具)との戦闘が始まるわけですが、ロロニアが屍兵を助けることにこだわり、また7人目の脅威も排除できず、苦戦を強いられる六花の勇者たち。さらに「黒の徒花」の正体を知るかつての親友が屍兵の中に居り・・・、と様相は混沌としており、どのように決着するのかはらはらどきどきさせられます。絶望的な状況にありながらも、希望を失わないライナ。
うーん、息もつかせぬ展開でありながら、どんどんと絶望的な状況に陥っていく様子に目が離せず、一気に読んでしまいました。あぁ、早く続きが読みたい・・・!(笑)。

※ 実は、第5巻、第6巻はネット通販で注文(新刊です)しているのですが、第5巻の在庫が無くずっと「入荷待ち」の状態です。この第2巻~第4巻を注文してすぐに注文をかけたのですけどね。あぁ、早く送られてこないかなぁ。

rokka_no_yusha_3「六花の勇者 3」

前巻は、モーラの話でしたが、今巻ではゴルドフに焦点が当てられます。彼のアイデンティティに関わるストーリーが展開されます。
それに対し、アドレットは活躍なし(?)。いや、一生懸命なのは相変わらずなのですが、彼以上の知恵者との対決になるとやはり六花の勇者といえども、彼一人では対処できないのです。
それにしてもドズーとナッシェタニアとの関係が今いち納得できない、というか。まぁ、話の流れからいくとナッシェタニアも凶魔と色々と融合しているようなので、ちょっと思考が凶魔寄りになっているのかも知れませんが。
その点、ゴルドフの設定は単純で分かりやすいですね。しかも本当に人間離れした体力の持ち主。
まだまだ謎は深まるばかりで、物語はいよいよ錯綜の度合いを深めていくようです。敵・味方という枠を超えて、魔神、凶魔、六花の勇者、全ての関係が混沌としてきました。ますます今後の展開に目が離せませんね、

rokka_no_yusha_2「六花の勇者 2」

第1巻では見事にだまされましたが、第2巻でも(?)。
この巻では、凶魔側の勢力分布が明らかになります。そして、その実質の支配構造も。その3体の統率者の内の一人、テグネウと今回相まみえることになります。それは、アドレットとフレミーには因縁ある相手であって・・・。
このシリーズは、とてもよく構成が練られているような印象を受けます。ファンタジー世界としてはありふれたもののような印象を抱きますが、そこにミステリー色が色濃く配置され、アクションよりも謎解きの方に目が奪われがちになります。それに加え、「聖者」といわれる者の持つ能力が独特ですね。今後の展開に目が離せません。

overlord_9"OVERLORD 9 The magic caster of Destroy" - 「オーバーロード 9 破軍の魔法詠唱者」

ついに鮮血王ジルクニフの前に姿を現した、ナザリック地下大墳墓の支配者アインズ・ウール・ゴウン。その圧倒的なカリスマ性にジルクニフは畏怖する。といっても、アインズはいっぱいいっぱいだったのですが・・・(笑)。
そして、帝国と王国との戦闘に帝国との同盟国として、参戦するアインズ。そこでも超絶的な魔法により、王国兵士を蹂躙する。
これまでの伏線が一気に収束し、戦闘場面に突入(ちょっとおおげさか)。まぁ、やっとこれでアインズの圧倒的な魔法の能力を公にしたことになりますね。また、モモンとの掛け合いが今後気になるところです。世界征服はどのように進行するのでしょうか。とても興味があります。次巻が楽しみです。

overlord_8"OVERLORD 8 The two leaders" - 「オーバーロード 8 二人の指導者」

今巻では、本編と少し離れて、カルネ村とナザリック地下大墳墓の日常の様子が描かれています。「二人の指導者」とは、エンリとアインズのことを示すのではないかと(あまり自信が無いけど)思っています。
ひょんなことからカルネ村を助けたアインズですが、その後のカルネ村には、ンフィーリアが移り住み、新しいポーションの研究をしています。また召喚したゴブリンたちも村人たちと共存しています。村人たちは、自分らを襲ったのが騎士たち(人間)であったため、村を守り、共に働くゴブリンたちの方を信頼するまでになっています。そこに森から新たな襲撃が。対するカルネ村の奮闘。また、それを見守るアインズの行動。
また、ナザリック地下大墳墓での日常をアインズの視点から垣間見ることができ、楽しく読み進めることができました。アインズは元はサラリーマンであり、絶対支配者とはどういうものか分からずに色々と苦労しているようです。その様子がユーモラスに描かれています。私も会社員でしたので、共感すること大、です(笑)。
さて次巻は、おそらく前巻からの続きになると思われます。読むのが楽しみです。

overlord_7"OVERLORD 7 The invaders of the Large tomb" - 「オーバーロード 7 大墳墓の侵入者」

「ぱねぇっす、アインズ様」 ナザリック地下大墳墓への侵入者に対する処置には容赦なしです。
ついにナザリック地下大墳墓の存在が知られ、その調査のためにワーカーたちが派遣されることになります。本巻はそのワーカーたちからの視点から物語が描かれているのですが、そのためワーカーたちに感情移入してしまい、アインズたちの残虐ぶりがとても際立つように感じられます。
ワーカーたちにも彼らなりの事情があり、また決して悪人ではないのです。でもアインズたちからすれば、ナザリック地下大墳墓への侵入者であり、盗人なのです。そこには正義は無いのです。
と思いきや、これらもまたアインズたちの仕組んだ実験だったりするのですから、やっぱりアンチヒーローものです。うーん、本当ならアインズたちみたいな極悪非道な「悪」は、「英雄」によって滅ぼされることにより爽快感を得るようなものなのですけど・・・。アインズ、がんばれ(笑)。

overlord_6"OVERLORD 6 The men in the Kingdom" - 「オーバーロード 6 王国の漢たち 下」

面白くて一気に読んでしまいました。途中、ちょっとグロテスクな描写がありましたが活字の上のことでしたので、なんとか(?)なりました(やっぱり、ナザリック地下大墳墓の者たちは「ひとでなし」なのです)。でもストーリーの方が気になって、どんどんと読み進めることができました。
この巻で戦闘メイドたちがやっと揃います。そして、なぜナーベだけがアインズの共として選ばれたのかも。他のメイドたちがあれだけ人間離れしていれば、しょーがない、ですよねぇ。
そしてデミウルゴスの能力(実力)も明らかになります。とんでもない悪魔っぷりですね。
それにしても、複雑に絡み合った漢たちの関係を、ナザリック地下大墳墓のもの同士の関係も、まとめて最後にアインズが精算して、おいしいところを持って行くという、うーん、やられた。アインズ本人は、汲々として状況に対処していっているだけなのが、また楽しい。会社組織運営にも例えられ、とっても身近に感じたりして(笑)。
それから、前巻では、初めて口絵がなくて寂しかったのですが、本巻では2枚(いつもの倍です)綴じられておりうれしく思いました。なんといっても美麗でカッコいい!。
またあいかわらず、セバスもカッコいいし。せっかく口絵にカッコよく描かれていた6腕を「瞬殺」。思わず笑ってしまいました(笑)。

overlord_5"OVERLORD 5 The men in the Kingdom" - 「オーバーロード 5 王国の漢たち 上」

前巻から舞台は変わって、リ・エスティーゼ王国、王都での様子が描かれます。
そこには、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフが居り、ブレイン・アングラウス、クライム、そしてセバス・チャンが奇しくも会し、共同で事を成すことになり・・・。
この巻では、アインズはほとんど登場しません。主として王都にいる漢たちの様子が描かれています。その中でも、セバスはかっこいいですね。創造者のたっち・みーの心情を色濃く残しています。本人はこの感情を持て余し、ナザリック地下大墳墓(アインズ)への忠誠心との間で葛藤することになるわけですが。彼の行方が気になります。
それから、ラナー王女(黄金の姫)がどうも怪しいのですが・・・、これは私の心が曇っているせいかも(?)。
下巻を読むのが楽しみです。早く買ってこなくっちゃ(笑)。

overlord_4"OVERLORD 4 The lizard man Heroes" - 「オーバーロード 4 蜥蜴人の勇者たち」

あっという間にこのシリーズも第4巻を読み終えました。
アンチヒーローものであるこのシリーズ、今巻はナザリック地下大墳墓(アインズ)側からの視点ではなく、蜥蜴人(リザードマン)側からの視点で多く語られます。
そして、主人公側が侵略する側になります。平和な蜥蜴人の村を主人公が侵略するわけです。アンチヒーローものといっても、あまり例のない状況ですね。
しかも蜥蜴人の勇者たちは、(勇者ですからそれなりの)人徳(?)のある者ばかりです。ですので、ナザリック地下大墳墓側からの一方的な都合により、侵略されようとするのですから、一種反正義的な物語となります。蜥蜴人の勇者たちにも感情移入してしまいますしね。
それでも、やっぱり面白い。アインズが絶対の支配者としての面子を保とうと努力するところが微笑ましく。また、この物語の顛末としては決して不快なものでなく、とても楽しめました。クルシュもとても可愛かったしね。さぁ、続けて第5巻に突入!(笑)。

overlord_3"OVERLORD 3 The bloody valkyrie" - 「オーバーロード 3 鮮血の戦乙女」

息もつかせぬ展開(?)についつい時間を忘れて読んでしまいました。特に後半での戦闘場面などわくわくしながら一気に読んでしまいました。
それにしてもヴァンパイアのイメージが、自分のこれまでの認識とまるで違っていて、とても興味深く感じました。ちょっとグロテスクですけどね。
そしてこの巻で、アインズに対抗できる勢力の存在が示唆されます。うーん、先の展開が全く読めません。次巻が楽しみです。

overlord_2"OVERLORD 2 The dark warrior" - 「オーバーロード 2 漆黒の戦士」

一気に読んでしまいました第2巻。
アンチヒーローとして突っ走っていますね。行動基準が全て自分の利益のため。また、敵とはいえ相当残虐非道なことも平然とやってのける、最近にはないパターンですね。それがまた痛快なのだから、人気があるのも納得。
著者のファンタジーゲームについての知識も相当なものですね。魔法の種類、効果に始まり、その世界観が半端無く詳細豊富。SFとは違った圧倒的な情報量にびっくりです。
物語はまだまだ序盤、といったところですが今後の展開に目が離せません。続けて次巻に突入、するつもりです。

overlord_1"OVERLORD 1 The undead king" - 「オーバーロード 1 不死者の王」

気になって、他の本より先に読んでしまいました。楽しかったぁ、面白かったぁ。
これぞアンチヒーローものですね。主人公は人間ですらなく、また善人でもなく、人間性を削いだ存在として描かれています。また、絶対なる力を持つ強者(超越者-オーバーロード)として描かれています。もちろん、先の展開ではより以上の強者が現れるかもしれませんが(それもお楽しみに)。
それから、ナザリック地下大墳墓といういわゆる秘密基地全体と、アインズ・ウール・ゴウンというギルド(構成員もろとも)全体が異世界へ転移するという、孤独なヒーローが成長しながら王国を築くというパターンでもなく。当初より、王というような立場で行動するという、目新しい展開が楽しかった。しかも、臣民というか部下というか、絶対の忠誠をもって尽くす、というのも目新しかったですね。内憂外患といった状況でなく、全て外部へ集中して目を向けるという御膳立てがあるのです。まぁ、当初は、手探りで確かめる必要がある、というのも面白い展開でしたが。
今巻は、ほんの序章に過ぎず、今後の展開が非常に気になります。続けて、次巻に突入、のつもりです。

hamanura_nagisa_keisan_note_1「浜村渚の計算ノート」

本書は著者の青柳碧人のデビュー作ですね。書店にシリーズとして何冊か並べてあったのを見て気になっていた本です。
で、読んだ感想ですが、ちょっと変わったテイストのミステリですね。世界設定はどちらかというとファンタジーっぽい、というか虚構であるのが明白、というか。でも謎を解明するに用いる数学は実在の、またその数式・定理にまつわるエピソードに絡めているあたり、ミステリーという雰囲気がありますね。また、謎解きもあり推理ものとしての雰囲気もあり、という。
読み物としてはライトノベルですね。軽く一気に読んでしまいました。けっこう楽しく読むことができました。デビュー作でありながら、最終ページには、"To be continued."とあり、シリーズ化を前提に書かれているようです。次巻も読むのが楽しみです。

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「いとみち 三の糸」

「ちっこくて泣き虫で、祖母譲りの濃厚な津軽弁。口下手だけど、三味線を構えれば饒舌な「相馬いと」も高校三年生。」「純度100%の青春サーガ、「いとみち」三部作、完結編!」(帯より)
相馬いとの高校3年間をずっと追いかけてきましたが、この巻でついに完結、となりました。高校3年生となれば受験生。いとも進路に、大学進学に悩む様子が描かれます。そしてもちろんメイド喫茶における環境も高校3年間の間に大きく変わっています。
本当に何気ない、それでいて本当に貴重な3年間が描かれてきました。この3年間でのいとの成長物語でもあります。
一気に楽しく読むことができました。爽やかな読後感とともに本を閉じることができました。

rokka_no_yusha_1「六花の勇者」

一気に読んでしまいました。アニメ化原作ですが、原作に忠実にアニメ化されているのがよく分かります。また色々な伏線があったことも、アニメを見てから原作を読んでみるとよく分かります。
そして、最後になるまで7人目は誰か分かりませんでした。いや、こいつかな、と思っていた人物とは別だったことに驚かされました。まんまと作者に騙されました(笑)。
それにしても、ナッシェタニアは兎耳型の鎧を、ハンスはしっぽを(自分で)取り付けていたのですね。人ではないのかと勘違いしていました。
それから7人目についても謎が残ります。次巻以降で明らかになるのかしら?。また、エピローグで次巻以降の謎がさらりと提示されていましたね。またもや7人目が現れるとは・・・、予想外でした。

gate_supplementary_biography_+"GATE SUPPLEMENTARY BIOGRAPHY +: WIN THE LABYRINTH" - 「ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えリ ─ 外伝+(プラス) 特地迷宮攻略編」

ついに外伝もこの巻で最終巻となります。
3つのストーリーが収められています。いわゆる短編集ですね。
「特地迷宮攻略編」は、おもにヤオの視点から語られています。彼女の伊丹に対する感情が、伊丹に受け入れてもらえない理由について知ることになります。そして、最後に彼女が下した決断は。この編でも彼女の不運(悪運?)が遺憾なく発揮されます。冒険譚なのですが、なぜかユーモラスで、楽しい。
「栗林志乃 特地にて、斯く戦えリ編」は、タイトルそのまま、栗林志乃がその任地から選抜され特地に派遣されるまでの様子が描かれています。伊丹との出会いについても。本当に幕間劇とでもいうべき短編です。彼女の心情がよく理解できます。彼女の今後の展開を知っているので、それを思い描きながら楽しく読むことができました。
「帝国の薔薇騎士団 グレイ・コ・アルド編」は、薔薇騎士団の指導指揮官となったグレイの視点から、その任に就いた頃から数年の苦労が語られます。ピニャと薔薇騎士団員(各隊、隊長)との関り合いにも触れられ、その成長の物語でもあります。著者が自衛隊経験者の故か、その作戦行動にあって、普段は戦闘の影になっている野営や補給などについて触れられ、楽しく読むことができました。非常食についても、現在もまたそうなのかな、と思ってしまうような内容で、面白かったですね。

gate_supplementary_biography_4"GATE SUPPLEMENTARY BIOGRAPHY 4: SILVERY CRYSTAL PRINCESS" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 外伝四 白銀の晶姫編」

ずっと時間を見つけて、一気に読んでしまいました。「外伝四」です。一応、外伝シリーズもこれで完結となっています。確かにこの巻でようやく日本とのゲートが(最後に)開くことになり、正編(本編?)の第5巻エピローグへ続くことになります。
この巻では、まさに特地での「ゲート」製造の物語となっています。本当に種々の妨害に会いますが、レレイの不屈の闘志により、困難を乗り越えていくことになります。その展開に目が離せずについついページを繰ってしまいました。
この外伝シリーズは、第1巻:ピニャ、第2巻:ロゥリィ、第3巻:テュカ、そして第4巻:レレイと見事に各人の物語ともなっているのです。うーん、うまい!。

the_highest_frontier_1the_highest_frontier_2the_highest_frontier_pumph"The Highest Frontier" - 「軌道学園都市フロンテラ 上・下巻」

ふぅー、ようやく読み終えることができました。読み始めてから、2週間くらいかかってようやっと読み終えることができました。
「本作は軌道上の宇宙居住施設(スペースハビタット)を舞台にした、大学に入学したばかりの少女の青春物語であり、生物学者である著者の本領が発揮されたハードSFであり、社会派小説であり、風変わりな人物が何人も登場するオフビートなコメディでもあるのです。」(訳者あとがきより)と帯にあります。この帯に惹かれて購入したのですが、うーん、確かに内容は間違ってはいないのだが・・・、面白くありませんでした。
ハードSFではあるのですが、まぁ、近未来的なギミックが一杯なのは判るのですが、それが何なのかさっぱり想像できないのです。また、何故かエボラ熱とかが突然、プリントアウトされたりするのです。しかも、誰もが躍起に犯人を捉えようとするでなく、その治療に右往左往するだけ。うーん、訳わからん。また、ウルトラファイトという地球外生物も正体不明。主人公の感情も行動も理解不明。そして何故か大統領選挙に血眼になる状況・・・?。
意味不明の外国語で一杯の、理解の及ばない登場人物の、理解不能の日常を淡々と追っているようで、読み進めるのが苦痛ですらありました。しかも最後まで問題は一切解決されず。
続編もあるようですが、(購入してまで)読むかどうかは微妙です。

2015.8

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"K-ON!" - 「けいおん! 全4巻」

いやー、一気に読んでしまいました、「けいおん! 全4巻」。TVアニメ放映中から(立ち読みで(笑))何話かは読んではいたのですけどね。全話を通して読んでみて改めてその面白さが分かりました。
また京都アニメーションもまたアニメ化にあたって、神的な力を発揮したということも分かりました。原作のテイストそのままに本当に身近な出来事という感覚で、こんなにも親しみやすくアニメ化できるなんて!。
著者の「かきふらい」は、この作品が初見で、この作品以外を知りませんが、このようなヒット作が出てしまうと後が大変かなぁ、といらぬ心配をしてしまうほどこの作品は面白かったです。
折にふれて、読み返したくなる、不思議な魅力もありますね。また、アニメを見直したくなってきた(笑)。
それにしても、作中にも出てきましたが、「ふわふわ時間(タイム)」「ごはんはおかず」「U&I」って、作者オリジナルでしょうか。すごい才能ですね。

attack_on_titan_17"attack on titan 17" - 「進撃の巨人 第17巻」

すかっと読んで(読めて)しまいました。そして、まるで理解できません(爆)。
うーん、困った。やはり、何巻か遡って読み返さないと解らないのかも・・・。
作画はやっぱり下手です。キャラクターの動きが、表情がはっきりしません。それでも、ストーリーに惹かれます。これまでに無いユニークな世界観があります。それで、次の展開が読めず、興味が尽きないのだと思っています。
こんなに訳が分からなくなっても、次巻が発刊されればやっぱり購入するんだろうなぁ。

gate_supplementary_biography_3"GATE SUPPLEMENTARY BIOGRAPHY 3: THE LEGEND OF A TWILIGHT DRAGOON" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 外伝参 黄昏(おうごん)の竜騎士伝説編」

外伝第3巻です。テュカの父、ホドリュー・レイ・マルソーが遊牧民パルミアと共に生活しているという噂を受け、テュカと伊丹は、飛竜を駆って北の地へ。しかし、伊丹にはトラウマがあって、飛竜に乗ることができず、やむを得ず採った手段とは。
今回も色々な引用がありました。元ネタを探すのも楽しい。CMからとか、ガンダムねたとか(笑)。
外伝では、あまり悲惨な描写はなく、また登場するキャラクタが陽性なこともあり、楽しく読み進めることができました。
そして、物語はハッピーエンド(?)というか、無難な方向へと収束していきます。面白かったぁ。
次巻が楽しみです。

gate_supplementary_biography_2"GATE SUPPLEMENTARY BIOGRAPHY 2: MAGNIFICENT FESTIVAL BY BLACK PRIEST" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 外伝弐 黒神の大祭典編 ─」

外伝第2巻です。時系列に沿って、外伝第1巻から後の話となります。
内容はサブタイトルにあるように、「大祭典」の顛末となります。また、この話と並行して、ロゥリィが亜神となって間もない頃のエピソードも語られます。
それにしても、終盤、ロゥリィとメイベルの死闘の際に交わされたメイベルのセリフが傑作です。いわく、「被害者と加害者という関係は、千もの歳月が流れても変わらぬと心得よ。」と。思わず、ずっこけました(笑)。どこか近所の大統領がこのようなことを宣わっていたような・・・。しかもこれが信者たちの信じている捏造された歴史が元になっているというオチ。あぁ、面白い・・・!。
次巻が楽しみです。

gate_supplementary_biography_1"GATE SUPPLEMENTARY BIOGRAPHY: DRIFTING OVER THE SOUTHERN SEA" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 外伝 南海漂流編 ─」

ストーリーは、まさに第5巻「冥門編」の後の話となります。
特地に取り残された自衛隊5千名と帝国との関係、アルヌス駐屯地での生活、が描かれることになります。
えーと、まるでラブコメ珍道中の様相を呈しています。もちろん、面白いのですが、これまでの自衛隊と帝国との戦闘描写、状況描写とはそのテイストがまるで異なっているように感じました。うーんと、悲壮感がまるでないのです。悪役からして、小悪党レベルでしかなく、残虐非道な行為そのものは描写されていません。まぁ、これはこれで安心して楽しめたのですけどね。
小説からライトノベルになったかのよう。気楽に楽しめそうです。

swordart_online_16swordart_online_16_postcardswordart_online_16_pumph"sword art online alicization exploding" - 「ソードアート・オンライン 16 アリシゼーション・エクスプローディング」

ついに「アンダーワールド大戦」開戦。
人界の存亡を賭け、圧倒的に不利な状況な元戦闘に身を投じる整合騎士たち。とにかく、戦闘につぐ戦闘となります。また侵略軍、人界守備軍双方の思惑、心情などが描かれ、緊迫感あふれる描写となっていました。
一方、ステイシア神の姿を借りてアンダーワールドへログインしたアスナの動向も気になるところです。読み始めた当初はなかなか登場せずにやきもきしましたが(笑)。
そして、キリトの周りにはアスナ、アリスを含む美少女たちが。
また、アンダーワールド大戦はバーチャルワールドをも巻き込んで、ソードアート・オンラインの仲間たちも参戦する・・・というひきで、この巻は終わっています。うーん、うまい!。次巻が気になるぢゃないか!!。

the_irregular_at_magic_high_school_17the_irregular_at_magic_high_school_17_postcardthe_irregular_at_magic_high_school_17_pumph"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 17 師族会議編<上>」

「達也と深雪の婚約」「司波兄妹が四葉家直系」というアナウンスを受けて後の学園生活を描く。多少ぎくしゃくした雰囲気もあり、それも何とか収まった後の師族会議。二人の婚約に疑義を称える、一条家と七草家。
一方、その会議の最中にテロが。というところまでで、今巻ではまるでアクションシーンがなく、どうもエピソード序章といった感じを受けました。事実、上・中・下巻の3部構成でこの「師族会議編」は成るようです。今後の展開が楽しみです。

the_irregular_at_magic_high_school_16"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 16 四葉継承編」

さくっと読めてしまいました。
今巻は、達也と深雪が新年の集い「慶春会」のため四葉本家に辿り着くのがミッションとなります(笑)。妨害を排し、「慶春会」前夜、次期当主候補たちとの会食に際して、次期当主の指名が行われる。そして、司波達也の過去と、司波深雪の秘密が明らかになります。
お約束では、達也と深雪が本当の兄妹ではなかった、というものですがあに図らんや、もうひとひねりが用意されています。
うーん、なるほどぉ。今後の展開が楽しみです。

gate_5_closed_gate"GATE 5: CLOSED GATE" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 5. 冥門編 ─」

やっぱり、続けて読んじゃいました、完結編。それこそ一気呵成に、夜を徹して(笑)。
様々なことが並行して起こります。また、様々な思惑のもとに怒涛のごとく物語は進行します。ジェットローラーコースター気分です。はらはらどきどき、次の展開が読めません。次から次へと困難が降りかかります。困難といってもそれこそ戦闘の局面です、次々と兵士が、自衛隊の仲間が、メイドたちもが凶刃の露となって斃れていきます。
銀座の「門」でも戦闘が始まり、「門」が破壊されそうになります。自衛隊も戦闘途中でありながら、撤退準備の命令が下り、戦線を後にせざるを得なくなります。「門」は閉じられるのでしょうか、それとも。伊丹二尉以下何人が特地に残るのか、いやそれとも特地の一行ともども日本へ帰還するのでしょうか。
いやー、面白かったぁ。この完結編で一応全ての伏線は見事に回収されました。最後のオチにはくすっとしたけれど(笑)。
テューレは可哀そうでした。うるっとしちゃいました。
あー、早く外伝も読みたい!。

gate_4_all_out_attack"GATE 4: ALL-OUT ATTACK" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり ─ 4. 総撃編 ─」

このシリーズもあっという間に第4巻となりました。次巻が完結編となります。第2巻の裏表紙には、第3巻で完結するようにありましたが、実際には第3巻は、動乱編となっていましたね。また、あとがきによると本来ならこの巻で完結編であったとのこと。それが諸般の事情により、「総撃編」「冥門編」に分けたとのことです。ということで、この巻では、戦闘中の描写の途中で唐突に終わっています。すぐに続きを読んでしまいそうです。
さて、物語は資源探索隊となった伊丹二尉以下一行(笑)は、ハーディの招待を受け、ベルナーゴ神殿へ赴きます。そこで明かされる「門(ゲート)」の秘密と、門によって引き起こされる「歪」について示唆を受け、調査に向かうことになり。門を閉じないと門によって繋がれた2つの世界が滅亡するということを知ります。
また内乱状態にある帝国に対し、講和条約を締結した日本政府は、ゾルザルへの全面攻勢にでることになり。
というような緊迫感あふれた状況の中、戦闘に突入します。各国の思惑も入り乱れ、恋愛模様も織り込みながら、物語は一気に佳境へと突入。本当に目が離せなくて、一気に読んでしまいました。けっこうな頁数があるはずなのですが、途中色々なエピソードもあり、楽しく退屈せずに読み進めることができました。

gate_3_upheaval"GATE 3: UPHEAVAL" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり ─ 3. 動乱編 ─」

炎龍退治に単独行動をとったために、小隊長の任を解かれた伊丹二尉。今度は、調査団体調として現地人を引き連れ、地質調査(金、銀、銅、レアメタル、石油などの地下資源)に向かうことになる。向かう先は、何故かレレイの導師号試験が行われる学都ロンデル。一方、炎龍が退治されたことが帝国中に知れ渡り、なかでもレレイがヒト族の魔導師であったことから、帝国に英雄に。それを快く思わない者によるレレイ暗殺計画。
また、帝国では突然皇帝が病に倒れ、ゾルザルが帝国の実権を握り、ニホンとの講和交渉を反故にしようと内乱状態に。
いやー、著者の自衛隊に関する知識が光ります。特に戦闘場面における武器の使用状況とか真に迫った描写で、目を離すことができませんでした。ちょっとだけ、と第2巻に続けて読みだしたのが運の尽き。一気に夜が明けるのも気づかないまま、最後まで読んでしまいました。面白かったー。

gate_2_flame_dragon"GATE 2: FLAME DRAGON" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり ─ 2. 炎龍編 ─」

自衛隊が村を襲う炎竜を撃退したという噂が帝国中に広まる中、まさに炎龍の襲撃を受け、瀕死の状態にあるダークエルフの村からヤオを死者として、自衛隊に炎龍退治の要請が。
炎龍の強大さに大部隊を戦争中の帝国領内に派遣する事もできずその炎龍退治の要請を断る自衛隊。一縷の希望にすがって、伊丹耀司二尉に直接頼むが、彼もまた命令もなく部下の命を危険に晒すわけにいかず、それも断られ、やむなく非常手段に訴えるダークエルフのヤオ。
ファンタジーの王道、ドラゴン退治ですね。自衛隊の援護なしに単独で炎龍を撃破しようと策を練る伊丹。炎龍退治に付き従う、テュカ、レレイ、ロゥリィ、そしてヤオらダークエルフ9人。炎龍の巣に罠を仕掛け、撤退しようとした直後に炎龍が巣に戻り、乱戦模様となり・・・。次々と倒れるダークエルフの戦士たち。仕掛けた罠も作動せず万事休す。と、はらはらどきどきものの戦闘でした。
また、前巻から炎龍の目覚めが50年ほど早い、という謎も明らかになります。またロゥリィにも冥府の神ハーディの使徒ジゼルという強敵が立ちはだかります。面白くて、夜を徹して一気に読んでしまいました。

gate_1_contact"GATE 1: CONTACT" - 「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えリ ─ 1. 接触編 ─」

つい最近、TVアニメ化放送されるようになって、気になっていた本です。
けっこう楽しく読み進めることができました。TVアニメもけっこう原作に忠実にアニメ化しているようですね。読んでいてアニメの場面が思い出されました。
主人公の伊丹耀司は、陸上自衛隊二等陸尉、といっても階級には詳しくありませんので、よく分かりませんが、小隊長を務めるほどの位ですね。で、作者は、元自衛官。どおりで、自衛隊に配備されている武器に詳しいこと。大変勉強になりました。また、アメリカ・中国・ロシアとの関係についてもその扱いが微妙に面白い。ファンタジーかなと最初は思いましたが、ちょっとそれにしては血なまぐさい。ただ、異世界の価値観と割り切ればさもありなん、と思えてしまい、気にならなくなってしまいました。
今後の自衛隊の動向と世界情勢に目が離せません。

the_irregular_at_magic_high_school_15"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 15 古都内乱編<下>」

前巻より少し間が開きましたが、「古都内乱編<下>」です。ほんの少し間が開いただけで、前巻の内容をほとんど忘れ去っている素晴らしい記憶力の持ち主である私にとって、さりげなく「上巻のあらすじ」があったのには助かりました(笑)。
さて、周公瑾の捕縛依頼を受け、京都に捜索にやってきた司波兄妹とその一行(?)ですが、古式魔法師と大陸からの道士の襲撃もあって、色々と困難を伴うものとなっています。ですが、その襲撃を逆手に取って徐々に捜索範囲を狭め、最後には対決、というお決まりのパターン。ですが、敵もさるもの、一筋縄というわけにはいかず・・・。
ストーリーもこれだけ巻を重ねると複雑怪奇、錯綜して訳が判らなくなります。まだまだ四葉家と司波兄妹との間には秘密がありそうで、また、司波達也が四葉家に対する態度をどのように考えていいのかが分からなくなってきました。ぶっちゃけ、敵なのか味方なのか、それとも・・・? でも、相変わらず司波達也は無敵超人です。危機的場面においても冷静に判断・行動し、敵につけいる隙を与えません。そういう意味では、痛快な話なんですがねぇ。それでも今後の展開に目が離せないのは、やっぱり主人公のキャラクターなのかな。次巻も楽しみです。

2015.7

datsu_genkai_syuraku_kabushiki_gaisya「脱 限界集落株式会社」

「限界集落株式会社」の続編です。止村での出来事から4年目の今度は駅前商店街(シャッター通り商店街)での奮闘を描きます。
当初は、止村の復活を傍目に幕悦町上元商店街でのコトカフェかの風景描写から始まり、「限界集落株式会社」での人達は他人行儀に描かれていて、あれっ、全く別エピソードかと思いましたが、さにあらず(笑)。懐かしい面々が顔を出し、駅前再開発反対に至ると、多岐川美穂に続き優も商店街復活に尽力することになります。でも、優はあくまでもアドバイザーの立場を崩すことなく、地域復活の主体は、その地域に根ざした人たちに任せようとします。
田舎の、しかもいまやどこにでもあるような集落、シャッター商店街を舞台にエンターテイメントになっているのはびっくりです。うまく行き過ぎる展開もありますが、あまり気にせずにストーリー展開に引き込まれてしまいました。息もつかせず、一気に読んでしまいました。

sekirei_sou_no_tamaru「せきれい荘のタマル」

越谷オサム作品です。期待した通り、面白かったです。
語り口は主人公・石黒寿史視点で語られるのはいつも通りです。ただ、今回はタイトルにあるようにタマルこと田丸大介についての描写が多くなっています。
そのタマルは同じアパートの隣人であるわけですが、なんとも個性的な人物。とっても面倒見がよくて、傍若無人。常識は無くとも良識はある、という具合で寿史は、大学入学以来(同じサークルに入部以来)振り回されっぱなしとなります。
寿史には片思いの彼女がおり、彼女を追って映研に入部したのですが、ひょんなきっかけからタマルも彼女に恋心を抱き、猛烈なアタックが始まります。
身近な題材でありながら、タマルという今どき珍しいおせっかいな人物が絡むことにより、ストーリーの先が読めなくて、ついついのめり込んでしまいました。やっぱり、越谷オサム作品は、裏切らない!(笑)。

kris_longknife_intrepid"KRIS LONGKNIFE: INTREPID" - 「海軍士官クリス・ロングナイフ 王立調査船、進撃!」

「海軍士官クリス・ロングナイフ」シリーズ最新刊、第6作です。著者マイク・シェパードの出世作で、アメリカでは2014年までで第12作まで発刊されているとのことです。
知性連合の王女で、海軍大尉のクリスは、辺境宙域(リム宙域外)に元海賊船の武装商船ワスプ号を王立調査船に改装すると海兵隊、科学者らとともに調査飛行に飛び立ちます。任務は、調査(探検)と平和維持活動(海賊船退治)。ということで、いつものように(?)辺境宙域でのゴタゴタに巻き込まれて、いや積極的に(?)介入していきます。そこには、天敵グリーンフェルド連盟のピーターウォルドの姿が。仇敵であるが彼の暗殺計画が遂行され、クリスがその犯人に仕立て上げられそうになる。暗殺計画を阻止しなければ戦争になってしまう危機に直面するクリス。
海賊退治から、旧来の地上戦、そして暗殺計画のための宇宙戦闘、と盛りだくさんの内容となっています。退屈せずに一気に読み進めることができました。ただ、登場人物が多くなり、従来のキャラクタ(仇敵)も登場し、しかも前巻の内容も伏線となっているため、記憶力の衰えた私には(ちょっと)つらいものがありました(笑)。うーん、誰が誰かよく分からん。

the_irregular_at_magic_high_school_14"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 14 古都内乱編<上>」

このシリーズも第14巻ですね。このシリーズは人気があるようで、図書館ではいつも貸出中となっており、予約してからやっと借りられる状況となっています。まぁ、人気があるのも読んでみるとよく分かります。登場人物が半端無く多いのですが、各人がけっこう個性的であり、またその行動に無理がなく自然であること。主人公が超絶超人であるにもかかわらず、相対する敵もまたそれなりの実力者であること、等読んでいて飽きることがありません。
現代魔法というコンセプトの理論づけもまたそれなりに楽しく(実際は解明された原理の説明でなく、単に現象の説明でしかないのですが)、それなりに納得させてしまう文筆力があるため、読んでいて違和感がありません。CADというギミックが秀逸ですね。
本巻では、学園生活も佳境に入って各人が学園内での重要なポジションを占めるようになっています。学年行事もあぁ、またこの季節がやってきた、と自然に思わせるほどになっています。今回の舞台は、「魔法学論文コンペ」が行われる京都ということになっていますが、上巻では開催されるまでの前哨戦(?)の様子が描かれています。やはり、京都での波乱を予感させます。
次巻が楽しみです。

gosick_blue「GOSICK ─ ゴシック ─ BLUE」

発刊されたのは、「RED」のあとの本書なはずなのですが、ストーリーは1930年のヴィクトリカと一弥がアメリカに到着したその日のことになります。
「RED」では語られなかった、ヴィクトリカが何故回転木馬にて探偵事務所を開くことになったのか、久城一弥がなぜ新聞記者見習いになったのか、そのいきさつも描かれています。
ふたりとも嵐を乗り越え、成長した様子が伺えます、が雰囲気はそのまま、あのふたりです。周りがアメリカっぽくなんだかハイな調子かな、と感じたりします。全体の雰囲気はだいぶおバカな要素が増えたような・・・(笑)。でも、けっこう楽しく読み進めることができました。
それにしても「ワンダーガール」ですか。「ワンダーウーマン」を知っている人ってどのくらいいるのでしょうか。そういうことを考えながら、ちょっと楽しくなりました。
このシリーズの「続巻」があることを期待します。

gosick_red「GOSICK ─ ゴシック ─ RED」

久しぶりの「GOSICK」シリーズとなります。舞台は、ヨーロッパから新大陸アメリカへ。ニューヨークが舞台となります。そこで、久城一弥は小さな新聞社の見習い記者として、ヴィクトリカはグレイウルフ探偵社の私立探偵として生活することになります。そこは、マフィア(ギャング)同士の抗争が絶えない物騒な街。禁酒法が施行された1930年代のアメリカで遭遇した事件とは。
久しぶりの本シリーズですが、ヴィクトリカってこんなに饒舌だった?、というくらいよくしゃべります(というように感じられました)。でもまぁ、ヴィクトリカの髪の色が金髪から銀髪に変わったくらいで相変わらずの二人です。小さなアパートに同居していますが、まだ結婚してはいないようです。けっこう楽しくて、あっという間に読み終えることができました。単行本なのに文字が大きくて、ページ数もそこそこ。これでイラストでもあれば、まるっきりライトノベルですね。次巻も楽しみです。

the_short_victorious_war_1the_short_victorious_war_2"THE SHORT VICTORIOUS WAR" - 「巡洋戦艦<ナイキ>出撃! 紅の勇者オナー・ハリントン 3 上・下巻」

グレイソンでの戦闘から1年、ようやく戦闘での負傷から回復したオナーの次の乗務艦は、巡洋戦艦ナイキ。王族軍艦の中で最も伝統ある艦船であり、新造艦として就役したばかりの艦である。サーナウ提督旗艦としてハンコックへの防衛任務へと赴く。時を同じくして、民共も戦争開戦の覚悟を決め、マンティコア王国へ戦端を開こうとしていた。
とまぁ、両国の状況の説明も随所に挟みながら、戦争がついに両国間で勃発。オナーの属する戦隊もとんでもなく不利な状況に陥ることになります。
複雑な人間関係を描きながらも、オナーの活躍があるわけですが、この巻ではオナー自身の成長もまた描かれています。人間的な成長ですね。
やっぱり、何度読んでも(単純に)面白い。今後の彼女の活躍に目が離せません(といっても、もう知っているのですがね)。

2015.6

babel_the_second_the_returner_11babel_the_second_the_returner_12"BABEL II THE RETURNER 11, 12" - 「バビル2世 ザ・リターナー 第11巻、第12巻」

2巻続けて読んだのですが、本当にさくっと読めてしまいました。30分もかからないってどういうこと!?。
相変わらず作画はへたくそです。と私だけがそう思っているだけなのかもしれませんが、特に人物の造形が下手で、デッサン風の筆致が邪魔で見づらいっちゃありゃしない。しかもこま割りが大きく、アクションも派手なのに動きがあまり感じられません。人物の表情も乏しいのが難点ですかね。ストーリーも混沌としてきて展開が分からない、といえばいいのか、何だか収集がつかなくなってきているような。面白いことは面白いのですけどね。次巻以降も、もし機会があれば手にとる、ということで。

the_honor_of_the_queen_1the_honor_of_the_queen_2"THE HONOR OF THE QUEEN" - 「グレイソン攻防戦 紅の勇者オナー・ハリントン 2 上・下巻」

「紅の勇者オナー・ハリントン」シリーズ第2作です。やっぱり続けて読んでしまいました。
前巻から数年が経っており、重巡洋艦フィアレスの艦長としてキャリアを積んでいます。そこで、イェリツィン星系惑星グレイソンへ、同盟を結びに行く使節団の護衛艦隊船隊長として艦隊を率いて同行することになります。その惑星グレイソンにて宿敵である惑星マサダからの襲撃を受け、しかもマサダの背後には民共の影が。相手は民共の天王級巡洋戦艦。
それに惑星グレイソンの特殊な社会事情が更に事態を複雑に。それは、オナーが女性ということであり。と、種々の事情が絡みながら最後は決死の戦闘へ。巡洋戦艦に対する重巡洋艦という絶望的な戦闘力の差があっても、立ち向かうオナーに対して勝機はあるのか、というはらはらの展開へ。
うーん、何度読んでも面白いですね。結果が分かっていても、緊迫感が伝わってきます。
やっぱり、次巻も続けて読みたくなります(笑)。

on_basilisk_station_1on_basilisk_station_2"ON BASILISK STATION" - 「新艦長着任! 紅の勇者オナー・ハリントン 1 上・下巻」

改めて読み直してみました。「紅の勇者オナー・ハリントン」シリーズの記念すべき第1作ですね。デイヴィッド・ウェーバーは、このシリーズが初見でした。
純粋な(?)ミリタリーSFですね。本書の解説にもありますが、「宇宙のホーンブロワー」が売り文句となっているようです。残念ながら、「ホーンブロワー」シリーズは未読で、何らの予備知識もありませんので、返って純粋に「紅の勇者オナー・ハリントン」として楽しめたのだと思っています。
とにかく単純に読んでいて楽しい。物語の設定もその世界観も良くできていて、また現在の感性からも離れていなくて、ストーリーに引き込まれます。これからも次々と困難が襲ってくるわけですが、オナー・ハリントンがそれを切り抜けていく様が爽快です。
うーん、次巻も読もうかなぁ。それにしても、最新巻がなかなか発売されませんね。とても待ち遠しく思っていたりします。

terms_of_enlistment"TERMS OF ENLISTMENT" - 「宇宙兵志願」

荒廃した地球から抜け出すために北アメリカ連邦軍に志願するアンドリュー。厳しい基礎訓練を耐えて晴れて卒業後、配属されたのは国防陸軍だった。国内戦闘を潜り抜けるが、負傷してしまい・・・。
タイトルが「宇宙兵志願」なのに配属先は国防陸軍(地上軍)。でいくつかの戦闘があるわけですが、なかなか舞台が宇宙へと向かいません。どーなんだろ、と思っているとやっと・・・。
というわけで、海軍へ転属。でも、いきなり宇宙に出るのではなく、さらに研修があって、なんと技術兵として着任するのでした。
主人公は超人的でもなく、特に秀でた才能があるのでもなく、でも基礎訓練に耐える根性と気概を持つ青年として描かれます。あ、文章は主人公の一人称語りですけどね。そこで色々な戦闘に参加しながら成長する、という王道パターン。といっても今のところ目覚しい活躍というわけではありませんが。どうも出世物語ではなさそうです。でも、物語としては次の展開が読めず、わくわくするような感じがあります。しっかりと恋愛していますしね(笑)。この本もシリーズ化されているようです。次巻が楽しみです。

accel_world_18accel_world_18_post_cardaccel_world_18_pumph「アクセル・ワールド 18-黒の双剣士-」

シリーズ第18巻です。なんだかひさしぶりだなぁ、と思っていたら、なんと前巻より8ヶ月ぶりだそうです。道理で、前巻の内容をほとんど覚えていません(笑)。ですから、突然「黒の双剣士」が出てきたときには何が何やら・・・。でも「黒の双剣士」があの人だとは、思ってもいませんでした。
最近はストーリーの展開が遅いと感じていたところ、今巻はなんだか詰め込みすぎなような・・・、それでいて実質何も解決していないのは如何に(笑)。
それから、何故にレオニーズの2人がリアルで会うことになったのか、その理由が良く分かりません。会ってからの話も何だか頓珍漢なような気がします・・・。
でもまぁ、これまでの伏線であったことが今後一気に明らかにされるような予感がします。特に本巻の最後の引きにはつい引き込まれてしまい・・・(作者の思う壺、ですね)次巻の展開が待ち遠しく思います。

swordart_online_alternative_3swordart_online_alternative_3_postcardswordart_online_alternative_3_pumph「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン III -セカンド・スクワッド・ジャム-<下>」

時雨沢恵一版「ガンゲイル・オンライン」の第3巻です。前巻からの続編、下巻となります。
面白かったぁ、楽しかったぁ、の二言に尽きます。人一人の生命が掛かっているのですが、悲壮感・使命感というシリアスな設定にもかかわらず、能天気なゲーム内での展開に目が離すことができませんでした。フカ次郎のキャラクターが秀逸です。レンと息のあったトークが楽しい。息もつかせず、一気に夜を徹して読んでしまいました。
そしてやっぱりハッピーエンドに安堵するのです。
これで、時雨沢恵一版「ガンゲイル・オンライン」は一段落なのですが、続編を希望します!。

the_irregular_at_magic_high_school_13"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 13 スティープルチェース編」

高校2年次での九校戦が舞台となります。
ただ今回は競技の勝敗そのものでなく、九校戦に紛れて魔法兵器の性能試験を実施しようという陰謀を軸に様々な思惑がからまって、混沌とした様相を呈するようになります。
そのような状況において、司波達也は、深雪のガーディアンとしての使命を果たすべく、パラサイドールの無効化に挑むことになります。
うーん、今回は陰謀に次ぐ陰謀があり、どうもとっ散らかった印象。なんかこう消化不良な感じです。最終段は達也の戦闘場面が主となり、それなりにアクションはしているのですが。
でもまぁ、退屈せずに一気に読み進めることができました。次巻が楽しみです。

the_irregular_at_magic_high_school_12"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 12 ダブルセブン編」

読み始める前は、「ダブルセブン」とは七草の双子の姉妹を指すのかと思っていました。表紙イラストも双子の姉妹ですし。でも、七草家と七宝家の両家のことを示しているのかもしれない、と思うようになりました。七宝君は、ある意味単純で野心家。本人は権謀術策家とも思っているようですが、第1高校には常識はずれの先輩がうようよいるわけで。
そんなこんなもあって、学園生活もドタバタとなるわけですが、司波兄妹にも従兄弟の後輩が同居することになり、ちょっと様子が変わります。
それにしてもやっぱり登場するキャラクター多すぎ(笑)。それでもストーリーがまとまっているのはさすが、というものでしょうか。色々な魔法に関するギミックにも手抜かりはありません。けっこう、はまる人にははまるのでしょうねぇ。どちらかというと私もはまるタイプなのですが(笑)。でも理屈が難しくて、頭が追いつかないのが難点(汗)。
次巻も楽しみです。借りられるといいのだけれども。

the_irregular_at_magic_high_school_11"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 11 来訪者編<下>」

「来訪者編」完ですね。
いわゆる魔物というものをこの「魔法科高校の劣等生」で料理するとこのようになる、というところでしょうか。現代魔法とともにその理論付けが面白かったですね。
ところで、最終的にはパラサイトは3体残っているわけですが、今後の展開でまた登場することはあるのでしょうか。ピクシーは言うに及ばず。
また、リーナの扱いには少々残念なところも。司波兄妹の前では相手にならず、といった状況でしたが。これもまた今後の展開しだい、という含みもありましたが・・・。
とにかく、第1高校における1年次は今巻で修了し、次巻からは2年次に突入するわけで。卒業するものがあれば、新入生として登場する者もあり、ということで、次巻は「ダブルセブン編」ということです。サブタイトルだけでは何のことかさっぱりでしたが、今巻の最後にある挿話にあるように多分、七草家の双子の姉妹のことではなかろうかと思っているのですが、さてどうでしょうか。
いずれにしても次巻が楽しみです。

2015.5

the_irregular_at_magic_high_school_10"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 10 来訪者編<中>」

この「来訪者編」は、上中下の3巻構成となっています。
吸血鬼の正体が明らかになり、宿主は一掃されましたが、本体がついに第1高校に潜入し・・・。
ただ、吸血鬼の本体であったパラサイトはまだまだ謎が多く、まだまだ波乱の様子。それにも増して、USNAの動向が気になりますね。司波兄妹との対決の行方が気になります。

the_irregular_at_magic_high_school_9"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 9 来訪者編<上>」

このシリーズも第9巻になりました。前巻は、追憶編でしたが、時系列的には連続しています。
前巻で、USNAのスターズが動いているという警告を受けたのですが、実際に今巻では、スターズの総隊長が第1高校に乗り込んでくることになります。
ところが、吸血鬼の登場により事態は思わぬ方向へ。ということで、最初「来訪者」とはリーナのことかと思っていたのですが、実は異世界からの・・・ということらしいです。
それにしても現代魔法の設定が見事にSFチックにまとめられていますね。こういうような大法螺を真面目に論じ、かつストーリーに必要不可欠な要素であるようなこの世界観が実はたまらなかったりするのです。まさに独自世界ですね。次巻が楽しみです。

the_irregular_at_magic_high_school_8"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 8 追憶編」

「追憶編」とあるように、3年前の出来事を追憶する形で綴られています。司波深雪の一人称で語られています。当時は、兄が苦手だったという深雪が、慕うまでに至った出来事を。
このとき、司波達也の秘密が明らかになります。感情表現が乏しい、(あるいは)できないことも。
そして、軍との係わりについても。
また、沖縄での戦闘の詳細も明らかになります。
やっぱりストーリーの組み立てが巧妙ですね。これまでのストーリーとの矛盾は特に感じることなく一気に読み進めることができました。次巻も楽しみです。

nanairo_konpeitou「なないろ金平糖 いろりの事件帖」

読み始めた当初は、意外と小さな事件(というか出来事?)だったせいか拍子抜けするほどでしたが、読み進めるに従いどんどんと面白くなり、一気に読んでしまいました。
それにしてもヒロインのいろりは聡明な女性というのが分かります。まぁ、少し抜けているところは愛嬌かな。それに単独で絹を探しにいく無鉄砲な面もありますね。いや、危険性を十分に予見しながらも飛び込んでいく勇気かな(?)。
猫のジロは、やっぱり化け猫の類でしょうか(笑)。人間と話ができるくらいですからね。まぁ、人間と言っても、いろり限定ですけれども。それにしてもちょっと猫らしくなく頭の良い猫でもあります。
さて、この作品もシリーズ化されるのでしょうか。是非シリーズ化してもらって、この続きも読んでみたい、と思います。

sound_euphonium_2"Sound! Euphonium" - 「響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏」

京都府大会で金賞を取り、関西大会へ進めることのできた北宇治高校。コンクールを目指し、夏休み中も練習に励む吹奏楽部の部員たち。
今読み終えたところで、その興奮も冷めやらず感想を書いています。
登場人物が多く苦労しますが、そこがまた楽しい。この練習に明け暮れる毎日においても、吹奏楽部の過去の出来事が現在に影を差します。3年生、2年生のちょっとしたわだかまりがあったり。
それでも、一つの目標に向かって、毎日を練習で過ごすのです。
音楽演奏には個人の才能は必要ですが、メンタル面での影響もまた大きく感じます。特に合奏となれば、とも思います。一人でも手抜きすることは許されないのです。
コンクールに疑問を持ちながらも、楽器・演奏が好き、という気持ちに素直に向かう少女達に感動!、です。

big_noise「階段途中のビッグ・ノイズ」

越谷オサム作品は裏切らない。本作品も楽しい小説でした。
主人公を含め登場人物がどれも個性的でありながらひょっとして身近なあの人かも、と思わせるような自然さ(?)があり、違和感無く感情移入することができました。
校長先生、加藤先生、森先生ともキャラが立っていますね。特に加藤先生がカッコいい。校長先生も素敵です。
そして何より軽音部の4人。ときにそれぞれの視点から語られる情景が自然で、各人の思いが伝わってきます。
楽しく、また自分の高校生の頃を思い出してちょっと(だけ)感動してしまいました。

sorairo_memory"Sorairo Memory" - 「空色メモリ」

「空色メモリ」は、空色をしたUSBメモリのことであり、メモリは思い出のメモリーでなく、記憶媒体のメモリのことである、とのことでした(笑)。
このUSBメモリに主人公が日記代わりにその時々の状況を心情を含めて綴っていく。その綴られた物語がこの「空色メモリ」であるのですが・・・。
まず登場キャラクタが美男美女でもなく、普通の高校生であること。主人公に至っては、96Kgを越えるいわゆる「デブ」体型であり、本人もそれで悩んでいる、という(でもダイエットはしない)。そして文芸部の部長であり、友人のハカセはメガネで、悩みがあると胃痛を起こす軟弱体質。このハカセが新たに文芸部に入部してきた新入女子高生に恋をすることから物語は始まる。本当は、その様子を「空色メモリ」に綴っていくことでハカセを見守っていた主人公もまた、その新入部員の友人のサキと親しくなるうちに・・・。
やっぱり、越谷オサムの本は楽しい。ささいな日常の中から、これだけのエンターテイメントを綴れるなんて。フィクションであり、物語と分かっていてもやっぱり読んでいて楽しい。そして、恋の行方が気になります。

※ 本作は、2012/6/12に創元推理文庫より文庫化され発刊されたようです。

rikejo"RIKEJO!" - 「リケジョ!」

著者の伊与原新は本書が初見となります。というか、タイトルもそうなんですけど、この本を見かけるまでまるで予備知識というものはありませんでした。ただ「リケジョ」という言葉に何故か耳に馴染みがある程度で、表紙絵と裏表紙のあらずじ(?)が気に入って購入しました。
で、読んでみて正解!。「・・・無類に楽しい、理科乙女ミステリシリーズ誕生!!」に立ち会うことができました(笑)。
本書は、5編の短編から成っています。それぞれが不思議な現象に科学的アプローチで対処していきます。でもそこには探偵好きな理系女性、というのではなく小学生に振り回されているうちにその科学知識により、謎を解明していくというスタイルとなっています。登場人物もちょっと特異な人、子供ばかりです。
ただ一人、殺人犯もいたようですがそれも悪人でもなく、悪癖を脅されて止む無く、といったような凶悪犯ではありませんでした。
それから、本書で触れられる科学情報、なんと"SETI@home"について出てくるではありませんか。そして、つい最近「コズミック・フロント」で紹介されていた宇宙線が寒冷期を惹起したという説も。読んでいて楽しくなりました。
それから、本書は「ミステリシリーズ」になるのでしょうか。そうであるならば、続巻がとても楽しみです。

cooper_in_nightlandcooper_in_nightland_2"Cooper in Nightland" - 「夜の国のクーパー」

ようやっと読み終えました。何故か読み進めるのに苦労しました。
物語は楽しいものでした。作者にいろいろとハメられて(?)、それも「やられた!」という具合で全然不快でもなく。
そして本書は、ファンタジーでなくミステリなのか、と思わせておいて最後はファンタジー!?。
主人公は猫のトムと「私」になるのかな。当初は、共に一人称語りなので、誰が今語っているのかが良く分からずにちょっと混乱しました。ちょっとだけですよ、ちょっとだけ。
特にトムを含む猫たちの生態が楽しい。自由きままな猫たちの様子がさもありなん、と納得させられるほど的確に描写されています。自分のしっぽに対する考えとか、そうそう、鼠に対する本能の描写とか。作者は猫を良く分かっている人というのが伺わせる文章表現でした。

2015.4

the_irregular_at_magic_high_school_7a"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 7 横浜騒乱編<下>」

ついに舞台は横浜へ。大亜連合による侵攻が開始されます。「騒乱」となっていますが、大亜連合軍による軍事的侵略であり、市街戦となります。
それにしても、いくら偽装揚陸艦だといっても簡単に侵攻され過ぎのような気がします。横浜港は重要な貿易拠点、湾岸施設のはずで当然、海上保安庁が警備しているはずなんですが・・・。それとも、2095年には軍隊に吸収されて、海上警備の方法が変わっているのかしら、ねぇ。
で、この戦闘に際し、連合軍を迎え撃つのは、やはり第一高校のいつもの(?)メンバーと第三高校の一条将輝のみ、というお約束。九校もあるはずなのに第一高校の一年生(しかも2科生)が大活躍するという。また、ここでついに司波達也の恐るべき魔法が明らかになります。これまでも何度か出てきたのですが、ついに第一高校のメンバーの前で明らかになります。それから、「サード・アイの封印」も解除され。
うーん、やっぱり司波達也は無敵超人なのです。

the_irregular_at_magic_high_school_series_guide

the_irregular_at_magic_high_school_6"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 6 横浜騒乱編<上>」

季節は秋になり、「全国高校生魔法学論文コンペティション」の開催に伴い、司波達也は急遽発表の技術アシスタントを依頼されることになります。そして、時を合わせたかのようなテロリスト(?)の密入国が大陸よりあり。産業スパイの様相を呈するも、どうやら「コンペティション」でテロ活動を画策している様子。
「コンペティション」の会場は横浜ですが、今巻は横浜へ出発するまでを描いています。また、「コンペティション」での発表にあわせて、第1高校は会場警備を行うことになっています。
なにやら下巻では、「騒乱」というか、派手な戦闘が繰り広げられるようです。そこで、司波達也の隠された能力が明らかになるような・・・?。次巻が楽しみです。
で、ここまで読んできた感想なんですが、どうも言葉にしにくいというか、分からないというか、あいまいな印象だったのですが、おそらくなんですが、主人公が感情の起伏に乏しいために、またあまりに欠点が無く超人的に過ぎるため、感情移入がしにくいのが原因なのではないかな、と思ったりしています。ストーリーとかギミックとか世界観とかは面白く、とても惹きつけられるものがあって、読んでいて楽しいのですが、いまいち印象に残らないのはその精かなと。感動的、というエモーショナルなところが(少し)薄いのかなと思います。

the_irregular_at_magic_high_school_5"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 5 夏休み編+1」

「九校戦」後の夏休み~10月の会長選挙までのエピソードが描かれます。
短編集とはなりますが、外伝ではありません。でも司波兄妹以外に、森崎駿、明智英美と十三束鋼、一条将輝と吉祥寺真紅郎、の夏休み中のエピソードも語られます。
またここでも新しいキャラクターが登場します。伏線となって、次巻以降に繋がるのかどうかはまだ分かりませんが。
しかしまぁ、登場人物の多いこと。学校での集団生活を描くのですから仕方のない面もあるのですが、クラスメート、同級生、生徒会と行動範囲に関わるキャラクターが一杯出てくるので、どうも混乱しそうです。読み始める前に「キャラクター紹介」をよく見て復習しておかないと(笑)。
それにしてもまだまだ謎がありそうですね。四葉家と司波家との関係はどうなっているのでしょうか。興味が尽きませんね。

interstellar_novel"INTERSTELLAR" - 「インターステラー」

"THE OFFICIAL MOVIE NOVELIZATION"とあるようにこの小説は映画「インターステラー」のノヴェライズとなります。
脚本に忠実にノヴェライズしたようで、映画の内容に沿った展開で設定の変更やエピソードの違いなどは一切ありませんでした。また、キャラクターの感情表現も最小限で、状況説明も最低限でした。そのおかげもあってか、読む進めるごとに映画のシーンを想い出し、映画をもう一度観ているような、まるで追体験しているような気持ちになれました。活字を追うことによって、一瞬のシーンの意味もよく分かり、理解が深まったような気もしました。
地球と宇宙空間(他の惑星)との同時進行、それを印象付けるようなシーンの切替もあり、宇宙に出たクーパーらの相対論的時差からくる切なさ、というのもよく理解でき、共感することができました。
小説を読んで、機会がある度に見直したくなる、そのような映画ですね。

sound_euphonium_1sound_euphonium_1a"Sound! Euphonium" - 「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」

4月よりTVアニメ放送をしていること、そのアニメ製作があの「けいおん!」を作った京都アニメーションであること、から興味を持ち手に取りました。
吹奏楽部でユーフォニアムを担当する女子高校生、黄前久美子の視点から高校生活・部活動について綴られていきます。
入学当初は、はっきり言って演奏が「下手」な吹奏楽部。なんとなくやっぱり小学生の頃より続けてきたユーフォニアムを選んでしまった久美子。同じ低音パートで同級生の加藤葉月と川島緑輝、そしてトランペットの高坂麗奈との交流。そして新しい顧問と全国大会を目指して部活動に励む部員達。
久美子は普通の、そしてちょっと気の弱い優柔不断な女の子として描かれます。また、色々な葛藤を経験します。楽器演奏も実力勝負の面もあります。練習量の問題もあります。才能もまた。
けっこう等身大の高校生として描かれていて、共感する場面も多々ありました。次巻以降も楽しみです。

okuribito「おくりびと」

映画「おくりびと」のノヴェライズです。
淡々と物語は進みます。読んでいて映画のシーンが目に浮かびます。文章表現では分からない感情の機微が俳優によってうまく演技されていることが再認識されます。この小説だけを読めば、あまり感動とはいかないのでは、と思われます。映画を鑑賞した後で、シーンの確認ということで、映画の感動が伝わってくるような、そのような印象をこの本から受けました。
また、映画に忠実にノヴェライズされているようで、映画と異なった表現はなかったように思います。この本を読むことで、また映画を見直したくなりました。

attack_on_titan_16"attack on titan 16" - 「進撃の巨人 第16巻」

いよいよ物語が混沌として訳が分からなくなってきました。いえ、前巻からの(いやもっと前の巻からかな)物語の繋がりがよく分からなくなっている(自分の)精なのですが(笑)。
いよいよ巨人の秘密が明らかになろうとしています。エレンはそこでもまた重大な判断・決断をすることになります。極限・究極の選択です。
相変わらず画はあまりうまくはありません。笑うようなシチュエーションも全く無く、全編緊張感に溢れています。そのような状況ですので、かえって画がうまくないことが、緊張感を生んでいるのかもしれません。
また大人気のこのシリーズは、関連図書やアニメ化、そして実写映画化までされるようですが、(残念ながら)映画館に足を運ぶ気にはなれません。何分、「あまのじゃく」な性格なもので(笑)。いえ、あまりにグロテスクな映像は苦手なだけなんですけどね。

the_irregular_at_magic_high_school_4"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 4 九校戦編<下>」

借りてきたその日の夜から読み始め、夜を徹して一気に読んでしまいました(アホです)。
九校戦編<下>となります。大会4日目の新人戦からとなります。ここでも司波達也の人並み外れた才能が発揮され、女子の快進撃となります。そして、中条あずさは、司波達也がトーラス・シルバーであることを確信するようになります。また、競技妨害工作が苛烈になるについにその危害が司波深雪に及ぶに至り、司波達也はその報復に乗り出します。果たして、その妨害工作を仕掛けた犯人とその黒幕は。そして、司波達也のとった報復手段とは。
まだまだ司波兄弟には謎・秘密がありそうです。また、一方で司波兄弟の最強っぷりが描かれています。ここら辺が、こう何と言うか、一種の爽快感に繋がるのでしょうか。次巻が楽しみです。

utau_ki_no_hoshi「歌う樹の星」

ようやっと読み終えました。
文体がどうも馴染めずに、けっこう苦労して読みました。ストーリーは、そこそこ面白かったのですが、特に見新しいものでなく、感動というほどのものとも思えませんでした。
どうしてかな。
なんというか、キャラクターに実在感が無いというか、感情移入することができませんでした。
残念。

2015.3

the_irregular_at_magic_high_school_3"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 3 九校戦編<上>」

魔法科高校の世界観にも大分馴染んできました(笑)。司波達也のそっけない態度、穏やかな、ある意味冷たい感情の動きについても。少しだけ、その理由について明らかになってきました。
それにしても、高校生でありながら既に軍隊経験があるような、しかも3年前の沖縄戦に関するような、ということまで伏線としてあります。
その中での「九校戦」ですが、はて。全てが架空の魔法競技ですね。うーん、まるで実感が湧かないのが残念。何故かスピード感があまり無いのです。一高生(の主力メンバー)が圧倒的な実力を持っているからでしょうか。それとも競り合う場面の描写があまり無いからでしょうか。それが、少し残念なところでしょうか。でも、ライバル(かな?)の三高生の活躍がまるで(この上巻では)ありませんでしたので、その精かもしれませんね。
それでもまるで面白くないかとそうでもなく、むしろわくわくしながら読んでしまいました。色々なギミックが登場し、けっこうそれがまた楽しい。まだまだ山場は、下巻にあるようですし読むのが楽しみなのですが、まだ下巻が手元にありません。早く借りれるといいのだけれど。

the_irregular_at_magic_high_school_2"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 2 入学編<下>」

第2巻、入学編<下>巻です。次第に明らかになっていきますが、ますます謎が深まる(?)司波兄弟の持つ魔法力。特に劣等生というレッテルが、単に規定に合わないイレギュラーな能力の持ち主であるという達也の能力が半端ではないですね。なんか、イレギュラーというより「規格外」というようなニュアンスですね。また周りに個性の強いキャラクターが多くて、それがまたよく書き分けられています(特にせりふなどが)。ただ、名前だけで区別することがちょっとつらく戸惑うときもありましたが(ちょっとだけですよ)。
ですので、最強のヒーロー、ヒロインがばったばったと悪党をやっつけるというカタルシス(?)だけで本巻が終わってしまったような(笑)。
ただ、まだまだ明らかになっていない能力というか秘密・謎がありそうです。今後、徐々に明らかになっていくのでしょうか、次巻が楽しみです。

the_irregular_at_magic_high_school_1"The irregular at magic high school" - 「魔法科高校の劣等生 1 入学編<上>」

レビュー作にしては珍しく発刊当初から「第1巻」および「上巻」の表記があります。通常ですと1巻完結した物語を発刊し、評判がよければ続巻を、という流れになるはずなのですが。
どうもWeb小説として発表していた実績が評価されたようで、最初からシリーズ物として発刊されたみたいですね。実際とても面白かったですし。
川原礫さんがあとがき(解説?)に書かれていましたようにWeb小説が原典なゆえか、読み始めは苦労しました(ちょっとだけですけどね)。いきなりの「現代魔法」の詳細な設定、次々に登場するキャラクターに対して、才色兼備で非の打ち所のない優等生の妹と、そして劣等生とされるはずの何故か無敵の兄、というちょっと感情移入しにくい本編の主人公。本当に著者の趣味全開のSFファンタジー小説かな、というノリです。第1巻では、物語はなかなか進みません。次第に劣等生のレッテルに対して本人の持つ超人的な能力が明らかになっていくのですが、まだまだ秘密があるようです。
SF物が好きで、作者の創造したその世界観を楽しむことができれば(私のことですね)、とても楽しいライトノベルかなと思います。第2巻が楽しみです。

gosick_viii_1gosick_viii_2"GOSICK VIII" - 「ゴシック -神々の黄昏- 上・下巻」

ついに大嵐に巻き込まれ、引き裂かれ、その運命に翻弄されるヴィクトリカと久城一弥。
これまで預言されていた大嵐がついに二人に襲い掛かります。はらはらしながら、最後まで一気に読んでしまいました。
サブタイトルにあるように旧世界の神々の黄昏について書かれています。そして新大陸が象徴する"Godless"な世界、物質世界へと変わっていく姿も。
読み進めていく間、ちょっとうるうるしてしまいました。

gosicks_iv"GOSICKs IV" - 「ゴシックエス -冬のサクリファイス-」

聖マルグリット学園での明日から冬休みを控えたクリスマス前日の冬の一日が描かれます。
その日、聖マルグリット学園ではリビング・チェス大会が開かれ、一方ヴィクトリカはイベントに参加することなく、学園内で過ごすのですが、過去の事件解決の経緯を振り返ることになり。
グレヴィールの髪型の秘密、二人の部下の奇妙な振る舞いの秘密、そして慌しく一日が過ぎ去りようとしているとき、ヴィクトリカは大きな嵐の気配を感じるのでした。
これまでの謎であったヴィクトリカの存在そのものについても、この巻までで大半が明らかになりましたね。そして、次巻でこのシリーズが完結するのですが、これまで引きに引いてきた大嵐がどのように語られていくのか、そしてヴィクトリカ、久城一弥の運命がどのような経過を辿るのか、とても楽しみです。

gosick_vii"GOSICK VII" - 「ゴシック -薔薇色の人生-」

前巻(「ゴシックエス -秋の花の思い出-」)からの続巻となります。
ヴィクトリカは、オカルト省の重鎮である父、アルベール・ド・ブロア公爵の命令により強制的に聖マルグリット学園から連れ出され、「ファントム」へと向かうことになります。そこで、ヴィクトリカは未解決事件であった王妃殺害事件の真犯人を特定することを強要されるのです。
同時に物語は、ヴィクトリカの母、コルデリア・ギャロの物語でもあり、現在と並行して綴られていきます。過去が複雑に絡み合い、現在の状況をも覆すかも知れぬ殺人事件の真相を解き明かすことになります。
少し切ない物語ですね。女性たちの哀しい運命が淡々と綴られていきます。コルデリアのヴィクトリカへの想い、王妃の想い、そしてヴィクトリカと久城一弥との想い。それぞれがタペストリのように織り合わされ、色々な輝きを放つことになります。
エピローグまで一気に読んでしまいました。そして、少しほっとしてしまいました。次巻が楽しみです。

gosicks_iii"GOSICKs III" - 「ゴシックエス -秋の花の思い出-」

オールド・マスカレード号で「ベルゼブブの頭蓋」から帰還してからの物語となります。季節は、夏休みが終わり秋の気配が漂う頃となり、聖マルグリット学園内でのエピソードとなります。短編集ですね。久城一弥が本と花を持ってヴィクトリカの家を訪ね、その花にまつわる本を朗読するスタイルで物語は進行します。ただ、しっかりと全編を貫くテーマ(秋の花の思い出)と次巻以降の伏線もあります。
今回は優しい話が続きます。「花」がテーマですからね。恋人同士の話でもあります。本に書かれた、本を書いた本人も知らない事実がヴィクトリカの冴えた推理で明らかになります。
どれもが、ロマンチックな話です。
トリックというほどのものではありませんが、優しい展開にほっとします。
一気に読んでしまいました。そして、いつものように(?)次巻以降の予告もちょっと触れてあり・・・。次巻以降が楽しみです。

nobodys_son"Nobody's Son" - 「だれの息子でもない」

神林長平作品を読むのは初めてです。<戦闘妖精・雪風>シリーズの原作者、といえば聞き覚えがあったのですが。いえ、アニメ化された作品は残念ながら一度も見たことはないのですが、そのタイトルには何故か惹かれるものがあって覚えていた、というだけなんですがね。
さて、本作品について・・・よく分かりません(爆)。まず主人公を含め、登場人物には名前がありません。「ぼく」「きみ」「親父」「爺さま」「係長」「K」といった具合。また何故か国民に一人一台、携帯型対空ミサイルが支給されていて、その管理のための部署が市役所にある、という訳の分からない設定が(当然の如く)語られます。そして、ネット社会の発展により、各人が仮想人格(アバター)をネット上に持っていることも。そして主人公がリアルとアバターの区別が出来ず、現実として知覚することができるという特殊能力も持つことが。当初は、本人もそのような自覚もなく、アバターと自然に会話していることをいぶかるが、ファントムなアバターを消去するためにミサイルを発射してしまい・・・。
もう以降は、意識と知能、そしてネット世界とリアル(現実)との区別なく、延々と「ぼく」「きみ」の一人称で語られるので訳も分からず・・・頭ん中、ぱぁ~状態(私の頭ですよ、念のため(笑))。でも、まぁ思ったよりも軽い読み物で、一気に読んでしまいました。感動する、とかそういう感じではありませんでしたが。好きな人は好きなんだろうなぁ、という感じでした。

hayabusa2「小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 -太陽系と生命の起源を探る壮大なミッション-」

"BLUE BACKS"です。小惑星探査機「はやぶさ」がイトカワからサンプルを持ち帰ってきて(2010年6月13日)から4年半年後に打ち上げられた「はやぶさ2」。本書は、「はやぶさ」がもたらした成果の記述から始まり、「はやぶさ2」について「はやぶさ」からの改良・改善点、そのミッションの違いについてインタビューを中心に綴られています。
「はやぶさ2」の打ち上げの際にもニュースとなり解説されていた内容がほとんどでしたが、改めて実際に開発に携わった科学者・工学者・エンジニアの話を伺うとなるほどと思えるものばかりでした。ちょっとわくわくしながら一気に読んでしまいました。
「はやぶさ2」のミッションが成功するように祈っています!。

gosick_vi"GOSICK VI" - 「ゴシック -仮面舞踏会の夜-」

海に沈みつつある「ベルゼブブの頭蓋」から脱出したヴィクトリカと久城一弥は、豪華列車オールド・マスカレード号にてソヴュールへと向かう。その列車のコンパートメントに乗り合わせた<孤児><公妃><木こり>に<死者>と名乗る乗客たち。そこで起こる殺人事件。
いつもの推理から、犯人を特定したヴィクトリカ。そこにはオカルト省の重鎮であるヴィクトリカの父、アルベール・ド・ブロワ公爵の陰謀が。そしてヴィクトリアは犯人に対し、久城一弥をして「あれは弱く、高潔な男だ。灰色狼はそれをして、慕う」と話す。
ヴィクトリカと久城一弥の絆が強固にそして深く結びついていくのが微笑ましく思えます。トリックもさほど凝ったものではありませんが、各登場人物の描写が面白く謎めいていて、楽しく読み進めることができました。
次巻はまた「ゴシックエス」かな。読むのが楽しみです。

gosicks_ii"GOSICKs II" - 「ゴシックエス -夏から遠ざかる列車-」

先に「ゴシックエス II -夏から遠ざかる列車-」を読んでしまいました。
主として、夏休みの間の出来事が綴られています。短編連作形式で、「ゴシック V -ベルゼブブの頭蓋-」の前日譚のように。
久城一弥は、夏休みにどこにも出られず一人ぼっちで過ごすヴィクトリアに付き合って(寄り添って)、二人で過ごすことにします。ヴィクトリカも口にはしませんが、なんだかほっとしたような様子・・・?。
そこでは、一通の隠された手紙(懺悔・告白)からセシル先生が聖マルグリット学園の生徒であった頃の様子が垣間見られます。また、久城の故郷、東洋の小さな島国に暮す家族の様子、特に次兄と姉の様子を手紙で知ったりします。そうそう、馬のシルエットの宿題の答えもありました(笑)。
また、グレヴィールとジャクリーヌの関係についてもその一端が垣間見えます。グレヴィールがちょっとけなげでいじらしい。楽しい話が続きました。
これから「ゴシック VI -仮面舞踏会の夜-」を読むのが楽しみです。

gosick_v"GOSICK V" - 「ゴシック -ベルゼブブの頭蓋-」

「ゴシック」シリーズも第5巻となりました。このシリーズは、時系列に沿って描かれているようです。もちろん、過去との因縁については、現在と並行して描写されており、謎が過去とのいきさつも含めて徐々に明らかになっていきます。
今巻では、いきなりヴィクトリカが拉致(?)されてしまった状況から始まります。そして、久城一弥は、ヴィクトリカを迎えに行くことになります。
そして、冒険の末、久城一弥はついにヴィクトリカに告白することになります。
「ぼくには義務や責任があるように感じ始めている。君っていう子を守る、責任が」(やっぱり、ちょっと不器用な表現(?))
ヴィクトリカも(洟をすすりながら)応えます。
「君、守ってくれ。どうか、どうか守ってくれたまえよ・・・」と。
事件の謎そのものはシンプルですが、今回はミステリの部分が多かったような気がします。物語の展開が面白くて、事件のトリックそのものはさほど凝ったものには思えませんでした(分からなかったんだけれどね(爆))。
また、物語が1巻で完結せずに(初めて)「つづく」となっていましたが、うーん、発刊順からいくと次巻は「ゴシックエス II -夏から遠ざかる列車-」となるのだけれど、どうしようかな。先に「ゴシック VI -仮面舞踏会の夜-」を読もうかな、うーん。

gosick_iv"GOSICK IV" - 「ゴシック -愚者を代弁せよ-」

「ゴシック」本編シリーズ第4巻です。
今回の舞台は、聖マルグリット学園にある時計塔が中心となります。ヴィクトリカも大図書館最上階から「下界」へ降りて事件を解決します。
20年前に存在した錬金術師リヴァイアサンの事件を。彼は本当に錬金術師だったのか、それとも。また、実際に起こった時計塔の殺人事件の犯人は。
また、ヴィクトリカの出生の秘密の一部が、そして聖マルグリット学園に囚われの身になっている理由が明らかになります。
ストーリーに引き込まれて一気に読んでしまいました。また、次巻への伏線がいくつか。ブライアン・ロスコーの正体が気になります。次巻が楽しみです。

※ 読了してから改めて表紙絵を見ると・・・うまいイラストですね。シルエットのみの表現ですが、作品のヒントがうまく隠されていることが分かります。読んでいる最中はカバーをかけているので、表紙絵は全然見ていないのです。

yume_wo_kanaeru_zou_2「夢をかなえるゾウ 2 ガネーシャと貧乏神」

「夢をかなえるゾウ」の続巻となります。が、ストーリーそのものは別個のものとなっています。
相変わらずガネーシャはマイペースです。今回は、ガネーシャと釈迦に加え、貧乏神の金無幸子さんや、死神まで登場します。
そして、貧乏神からの示唆される教えに素直に従う主人公。
笑って、考えさせられて、気付かされる自分に気が付きます。読み物としても楽しかったぁ。

swordart_online_alternative_2swordart_online_alternative_2_postcardswordart_online_alternative_2_pumph「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン II -セカンド・スクワッド・ジャム-<上>」

楽しかったー。
いつもの優しい語り口です。でも内容は凄惨です。グロテスクです。死体が飛び散ります。
でも何故か楽しい。所詮ゲームだから、と割り切ってみることができるからなのかもしれません。
また、会話が楽しい。悲壮感がまるでありません。キャラクター達がゲームを楽しんでいる様子が伝わってきて、こちらも楽しくなります。でも、ゲームですけれど(いやゲームならですけど)緊迫感もあります。対人戦闘ゲーム、やるかやられるか、なのですから。
今回、レンとチームを組むフカ次郎のキャラクターもまた楽しい。前巻からのキャラクター達に加え、何らの遜色なく際立っています。さて次巻は、<下巻>となります。今後SJ2の結末がどのようになるのか、今から楽しみです。

gosicks"GOSICKs" - 「ゴシックエス -春来たる死神-」

シリーズ外伝、短編集です。
本編で語られていた「春来たる死神」こと久城一弥とヴィクトリカとの出会いから、それに連なるいくつかの事件が描かれています。
この短編各話(章)が、アニメの1エピソードになっていたような気がします。各話の最後には、次回の事件の予告めいた文もありました。「だがそれはまた、別の物語である-」と。
本編のエピソードを補完するような形でもあり、楽しく読み進めることができました。
次巻の本編ともどもこの「ゴシックエス」シリーズも楽しみです。

gosick_iii"GOSICK III" - 「ゴシック -青い薔薇の下で-」

シリーズ第3巻です。
ヴィクトリカは、久城一弥がプレゼントした寝巻きのせいで、風邪をひいて寝込んでしまいます。そして久城一弥は、その寝込んでいるヴィクトリカを置いて、一人ソヴレムに赴き、そこでまたしても奇妙な事件に巻き込まれてしまいます。
そこで久城一弥とヴィクトリカとの会話は、電話を通して、が大半となります。久城一弥は電話越しとなるとちょっと強気になるようです。また、風邪で弱気になったヴィクトリカは少し寂しくなり、久城のことを思ったりしているようです。この会話のあたりの描写が微笑ましく思えます。
また、ヴィクトリカの聖マルグリット学園に来る前の様子の一端が描かれています。幽閉の身であったようですが、どうも家族を恐怖に落としいれ、楽しんでいたようです。
事件について語られるのと並行してヴィクトリカと久城一弥の距離が綴られていくのを読むのが楽しい。また、これまでの事件についても仄めかされており(伏線かな?)、今後これらもまた語られていくのかどうか興味があるところです。

gosick_ii"GOSICK II" - 「ゴシック -その罪は名もなき-」

「ゴシック」シリーズ第2巻です。第2巻より副題が付くようです。
このエピソードもアニメで見た覚えがあります。ので、大まかなストーリーは覚えていたのですが、本を読んでも楽しめました。
今回は、ヴィクトリカの母、コルデリア・ギャロの生まれ育った村を訪ねることになります。そこで起こった母の冤罪を晴らすために。
久城一弥とヴィクトリカとのやり取りが楽しいですね。思わずくすっとすることがあります。
また(たった1泊ですが)旅を共にすることによって、互いの距離が近づいていくようで、ほのぼのとしたり。今後の行方が楽しみです。

gosick"GOSICK" - 「ゴシック」

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュールで、極東の島国から留学した久城一弥とヴィクトリカは出会う。彼女は、聖マルグリット学園の図書館最上階にある植物園で書物を友として過ごす天才、そして(定番ですが)金髪、エメラルド・グリーンの眼を持つ美少女でありました。
そのような2人が、ある事件をきっかけに豪華客船での殺人事件に遭遇することになる。
この「ゴシック」シリーズは、アニメ化されていましたね。何話かを見た覚えがあります。その時の印象よりも2人は幼く描かれているように感じました。青年というより子供のような扱いかな、と。
また、ライトノベルの推理物というより、ミステリ色の濃い作品のようにも感じました。
ヴィクトリカもまたミステリアスな存在です。なぜ、図書館最上階に軟禁状態なのか。母の出自は(出生の秘密)。これから徐々にそれが明らかになっていくのでしょうか。今後の2人の行方が気になります!

the_frozen_sky"THE FROZEN SKY" - 「凍りついた空 -エウロパ2133-」

いわゆるファーストコンタクトもの、といえばいいのでしょうか。というか、当初は相手が知的生命体かそれとも動物かが不明でありながらも、DNA構造が地球生命体と同一のものであって、メンタリティも同様に推測できるものなのですが。
接触当初は最悪で、いきなりの殺し合いになります。そこからのサバイバルが序盤で、後半は、人類との係わり合いの中での抗争が描かれます。
SFらしいギミックが楽しい。仮装人格(ゴースト)が個人の記憶とAIから簡単に作成できることや、各種メカ、ドローン、医療ドロイド、さらにはナノテクノロジーやクローン再生による驚異的な医療技術などを縦横に駆使しながらの主人公の活躍。
続編も出ているそうなので、また訳出されることがあれば読んでみたいと思います。

kankokujin_ga_abaku_kuro_kanshi「韓国人が暴く 黒韓史」

「韓国人による恥韓論」「韓国人による沈韓論」に続く第3弾です。「~韓論」という表現を改め、「黒韓史」という表現になっています。
帯にある「韓国人はなぜ、天皇を憎むのか」というのは少しセンセーショナルに過ぎる文句だと思います。確かに韓国人の「正統性」の観点から、日本の正統性を羨む感情は理解できますし、それが「憎悪」までになっているのかの説明はありましたが、この「韓国人はなぜ、天皇を憎むのか」という文句一言で全てを言い表しているわけではないように思います。それよりも、韓国という国の成り立ちを遥かな過去から、儒教、思想の観点を通して、日韓併合時代を通して、現代の反日思想に繋がっているかを論じた点が重要と思われます。その反日を通して、その一端として日本の天皇を否定しているものと感じました。
しかし、この本に書かれているように矛盾だらけの捏造された歴史を信じて疑わない(と見られる)韓国人がいるということが信じられない、という思いもあります。韓国国民全員が洗脳されているわけでなく、単に事実を見ようとしない(人間の)性が表面に出てきている精ではないかと思いたいですね。
また、このような国と付き合っていくためには、変におもねるとか、事なかれ主義に陥ることなく、それこそ誠実に主張すべきことは毅然と主張し、間違いは間違いで糾していくべきだと思います。全てが日本のせいであるとは思いませんが、言うことを聞かない駄々っ子に飴を与えて黙っている、という態度が我侭な性格を増長させてしまった、という側面も無きにしも非ず、なのですから。
最近はネットニュースなどで、韓国の記事をよく見かけるようになりましたが、どうも韓国側も日本側も極端な意見しかコメントされていないように感じます。また、一方の意見が他方の意見を、まるで魔女狩りのように封殺するような風潮が見受けられるのも心配ですね。日本人は、「本音と建前」という文化(?)がありますし、一方「熱しやすく冷めやすい」という国民性もあります。最近では「嫌韓」がブーム(あえてブームと呼びます(笑))ですが、この機会に(善悪、思想、心情とは関係なく)韓国との歴史、事実をよく見ておくのも大事ではないでしょうか。と、思いました。

love_letter"love letter" - 「ラヴレター」

映画「LOVE LETTER」の原作本です。というより、岩井俊二監督自身によるノヴェライズかもしれません(こっちの方が正解かも)。
映画とは細部が(ちょっとだけですけど)違った情景が描かれることがありましたが、ほぼ正確に映画のストーリーに沿っていました。ですが、そこは小説ですので、渡辺博子の心理描写が書き込まれ、改めてこの「ラヴレター」の世界に浸ることができました。
また映画を見たくなってきました(笑)。

2015.2

somewhere_under_the_parasolsomewhere_under_the_parasol_pamph"Somewhere Under The Parasol" - 「いつかパラソルの下で」

森絵都作品です。以前に「カラフル」を読んでいましたので、同じ著者ということで、読んでみました。
兄・姉妹3人の長女、野々の一人称で綴られていきます。厳格だった父の四十九日法要の直前に、生前の父と関係があったという女性から連絡が入り、母とその女性と会った野々。
そして、野々が嫌っていた父の隠された情事。
父の原点を知るため、父の故郷佐渡へと親戚を尋ねる3人。そこで明らかになる事実。
といってもミステリアスな展開でなく、そこには普通の「日常」があり、野々もまた父と同じように、日常の中にある拘り、悩みもまた言い訳という自己弁護があり、「日常」から目を背けていた自分に気付いていく。
うーん、何かよく分かりませんが、自分に対して正直になる、本当の自分を肯定するような、そういう意味での「ハートウォーミング・ストーリー」であったような?。うまく、文章に出来ません(爆)。

otoyomegatari_7「乙嫁語り 7」

今巻では、第4の乙嫁としてアニスが登場します。
ペルシャの裕福な夫に嫁いだアニスは、幼い男児の母親ですが、一人で猫を相手に屋敷で過ごす毎日です。ある時、(息子の)乳母から「姉妹妻」のことを聞いて、まず友達を探すためにお風呂屋さんへ向かうことにします。そこで、アニスが出会ったのは。
「姉妹妻」という習慣のことは本書にて初めて知りました。一夫多妻制のことは聞いていましたが、妻同士で夫婦のように姉妹の契りを交わすことがあったなんて、思いもよりませんでした。
それにしても、ペルシャの人達の平和な日常が穏やかに描かれています。何らの大きな事件があるわけではありませんが、その生活を垣間見るような気がして、けっこう楽しく読み進めることができました。このようなコミックを読むことができて、何だかほっとする気分になります。へいわぁ~、ほのぼのぉ~、な気分になります。

yume_wo_kanaeru_zou「夢をかなえるゾウ」

いやぁー、楽しかったです。読んでいて全く飽きることがありませんでした。本作の主人公みたいに次にガネーシャが出す課題にわくわくするような気持ちになれました。
それと、著者の語り口が素晴らしいですね。肩肘張った、難しい言葉でなく、先人の知恵というか、逸話とかその考え、捉え方などをさらりと口にする、それが嫌味でなくユーモアを交えて語られるさまには。思わず笑いながらも納得させられてしまいました。
主人公も(名前は出てきませんが)素直ですね。ガネーシャの言動に振り回され、憤りつつも反面その言葉の意味を一生懸命捉えようとする。その姿勢が素敵です。
今までは自己否定の日々でしたが、ひょっとして自分を褒めることもできるのではないか、とも思えるようになりました。
ただ、今の生活にはそんなに不満はないんですねぇ。好きなこと(惰眠をむさぼること!)も毎日実行していますし(笑)。いや、日々感謝、とか人を喜ばすこと、などは全くやってはいないんですけどね(汗)。
それでも、まだ何かやれることはあるのかな、なんて考えることもありました。うーん、どうだろ。

the_paladin_prophecy_book1_1the_paladin_prophecy_book1_2"The Paladin Prophecy Book 1" - 「秘密同盟アライアンス パラディンの予言篇 上・下巻」

面白かったです。が、やっぱりジュブナイルでした。日本でいうところのライトノベルでしたね。
学園物です、と言っていいと思います。世界観とかその規模とかが(なんか)狭い。色々と事件は起こって、それこそ目まぐるしくストーリーは展開するのですが、それが学園内でのことで、どうもドラマ風なのです。しかも主人公に都合よく展開することもしばしば。あまりにも主人公が「素直でいい子」過ぎるのです。女性達は美人揃いですし(お約束ですね)。
でも、主人公達は積極的に行動しますので、次の展開が早くて退屈することもなく読み進めることができました。
まぁ、軽い読み物と割り切って、次巻も発売されれば購入するんじゃないかな、なんて思ってもいます。

※ しかし、やっぱり最近の文庫本は高いですね。本書では、760円×2冊=1,520円(税別)であり、単行本並みの価格となっています。ふぅ。

genkai_syuraku_kabushikigaisya「限界集落株式会社」

面白かったです。読み始めた当初は、主人公の多岐川優に(彼のその性格のため)なかなか感情移入できずに少々戸惑いましたが。限界集落からの脱出、改革のためには優の提案する方策で良いとは理解できるのですが、その強引なやり方、やや傲慢な手腕に違和感を覚えるのです。本人の経営手腕に対する(過剰な)自信に対しても。
しかし、その行動力とカリスマ性には爽快感があります。どのような障害にあっても都度積極的に、果敢に挑戦していく姿勢には感心したりもします。
一方、これまで「限界集落」という言葉を聞いたことはあっても、現状認識・理解の及ばないことがありましたが、この本を読んでその深刻さの一端を垣間見ることができました。また日本の農家の置かれている現状についても。特に「官民一体」という言葉の危うさについても。そういえば、今現在「農協改革」とかいうのをやっていますが、ちょっと気になってきました。今までは、第3者的に見ていたのですけども(汗)。
いかにもフィクション、ドラマかなと思う展開もありましたが、希望(めいたもの)があったというか感じました。
ばあちゃん達のあきらめを突っ切った明るさにも救われました。応援したくなりました。

※ どうやら続巻があるようです。機会があれば読んでみたいと思います。

the_isolator_2the_isolator_2_poster"THE ISOLATOR realization of absolute solitude" - 「絶対ナル孤独者《アイソレータ》 2 発火者 The Igniter」

第2巻です。《サードアイ》が人間に与える特殊能力の秘密の一端が明らかになります。しかし、それによっても説明できない空木ミノルの持つ《孤独》の能力。
今回の《ルビーアイ》能力者は、《発火者》。だが、その本当の能力は、周りの空気から酸素だけを凝集できる能力であった。その結果、酸素凝集点で発火すれば何でも燃焼しつくし、さらに酸素を奪われた周囲は無酸素空気となるという危険な能力だったのだ!(ふぅ)。
なんだか大分無理のある設定(能力)ですが、宇宙からの異生物によってもたらされたものであるならば、何でもありかと(笑)。さて、正義の秘密組織が姿を現し(主人公もそのメンバーとなり)、悪の秘密結社の気配も漂わせながら、次巻へと続くとなっています。《サードアイ》の謎と共に、退屈せずに一気に読んでしまうことができました。次巻が楽しみです。

my_youth_romantic_comedy_is_wrong_as_i_expected「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」

のっけから笑ってしまいました。「高校生活を振り返って」という比企谷八幡のレポートに。
また、色々残念な設定に。なぜか「僕は友達が少ない」の残念な人たちの性格を思い出してしまいました。でも、こちらの方がもっと強烈で、突っ切っているような印象です。
自虐ネタがさらりと語られているのもこの本の特徴でしょうか。比企谷八幡の一人称で語られていきますが、その中で自虐ネタが満載。でも当人は(強がりなのかもしれませんが)客観的に自己を分析し、自身の在り様を肯定的に捉えています。だから、(斜め上からであっても)他人の心情について的確に分析できるのでしょう。まぁ、思いやり、同情とは全然違うようですが。いわゆる「ひねくれた見方」とでも言うのでしょうか。でも案外それが本音であったり、真実であったりするのですよね。
とにかく、読んでいて楽しい本でした。主人公ほど突っ切ってはいませんが、同じような状況に出会ったことがあったかなぁ、なんて思ったり、なるほどと思ったりすることが多々ありました。このシリーズに人気があるのもよく分かります。
早く続巻が読みたい、とは思うのですが図書館にはこの1冊しかありませんでしたし。どうしようかな。

sekai_kara_neko_ga_kieta_nara「世界から猫が消えたなら」

えーっと、感想だけ。
さくっと読めてしまいましたが、はて。世間で評判になっているほどの感動作には思われませんでしたが、はて。私の感性がおかしいのかしらん。
まず、(なぜか)この小説の設定および情景が良く分からないのですが。
「何かを得るためには、何かを失わなくてはならない。」
「何かを得る」のが「自分の命」だとすれば、「何かを失う」ということが今一理解できないのです。自分のために(自分のエゴのために)、何かを無しにする、という情景がまず思い浮かばなくて、主人公に感情移入できない自分がいるのです。何とか、何かを、作者が訴えようとしているのかな、と言うくらいは感じるのですが・・・、それもいまいちよく分かりません。主人公がひたすら、考えているだけで、積極的に行動しようとしない姿勢が原因なのかもしれません。文学青年(を気取った)の私小説みたいに感じてしまうのです。やっぱり、自分がひねくれているのかしらん。
でもまぁ、とても軽い読み物でした。スラスラと読むことができました。少なくとも読んでいる間は、ストレスを感じることはありませんでした。うーん、でもやっぱり感動作というのは言いすぎかな。何度も読みたい、とは思えませんもん(ただし私がですよ、念のため)。

talleyrand_4「喫茶店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで」

夕方本作を購入してから、近くの喫茶店ですぐに読み始め、自宅に戻ってからも読み進めたのですが、結局読み終わるころには日付が変わっていました。でも途中退屈することなく、一気に読むことができました。
本作品は副題にあるように五つの短編から構成されています。
いつものように一人称の語り口で、情景・状況が語られていき、毎回の謎解きは(何らかの形で)喫茶店タレーランのバリスタ、切間美星がかかわり見事に解かれていきます。でも、謎解決だけでなく、ちょっとしたびっくりもまた仕掛けられている、という楽しい話が待っています。一人称の語り口ながら、その語っている人が毎回異なり、かつ読んでいる人にはあれっと思わせる伏線もまたさりげなく、本人の口から語られているという。ときには、本の中の登場人物は当然のごとく知っていることも、また、語り部たる本人も当然であって語られないことが、本という媒体であるがゆえに読者だけが分からない、そういう楽しい仕掛けが施されているのです。そうそう、一話目とおまけの掌編にともにシャルルが係わっているのもまた楽しかったです。シャルルに始まり、シャルルにて終わる、というふうな雰囲気があって。

fantastic_girls_okayama_1980"Fantastic Girls, Okayama, 1980" - 「でーれーガールズ」

日付が変わるのも気付かず、一気に読んでしまいました。
読み始めは、いきなりの昔話。そして、2007年の現在と1980年の過去とが並行して語られていきます。すこし状況は異なりますが、あのジブリのアニメ「おもひでぽろぽろ」のように。
東京から岡山へ引っ越して岡山白鷺女子高等学校へ入学してきた佐々岡鮎子。東京と岡山の方言や鮎子の性格が災いして、クラスから孤立していく。そこへひょんなことから美人で勝気、少し陰のある秋本武美と話が出来、やがてクラスにも溶け込んでいく。そして、鮎子と武美はある男性と共に無二の親友へと。その男性の名は、ヒデホ。鮎子とヒデホは付き合っていたが、ヒデホには、鮎子しか知らない秘密があり・・・。
現在の鮎子が思い出を語るように当時の情景を紡ぎだしていきます。そこには、16歳の女子高生の青春そのものの風景があり・・・。
読み始めたときは、あまりにもメルヘンチック、オトメチックな語り口で少し気恥ずかしく思うほどでしたが、徐々に1980年代の光景に引き込まれ、ほろ苦く、でも甘酸っぱく、優しく、そして大きく揺れる心情などに惹かれ、気がつけば読み終わっていました。
フィクション、ファンタジーでしかありえない設定でありながら、なお1980年当時の情景と、16歳という年代特有の感性に自身の思い出とも重なり、楽しく読み進めることができました(ただし、私は"♂"ですので、当然感性が異なりますが)。
岡山へは何度か行ったことがあり、岡山城や後楽園、そして路面電車やJR岡山駅、地下街、そして白十字、どれもが懐かしく思い出すことができました。いつかまた岡山を訪ねることがあれば、この本のことを想い出しながら、各地を廻ってみたく思います。

ryusei_wagon_1ryusei_wagon_2ryusei_wagon_3「流星ワゴン」

重松清は、この作品が初めてです。名前を聞いたこともありませんでした。この本もドラマ化の帯を見て購入を決めました。でも、ドラマは見ていないんだけれどもね。
では、あらすじはいいとして、感想だけ。
永田一雄は可哀想。彼は何も悪くない。それなのに不幸になるのは、周りの人たちによる。強権的な一雄の父、忠雄。いくら一雄のことを想っていても接する態度があれでは、一雄に理解せよ、というのは無理だと思う。
また不貞の妻とわがままな息子。家庭が崩壊するのは、決して一雄の精ではない。彼は本当に知らなかっただけ、分からなかっただけなんだ。
だのに一雄は思ってしまう。未練が残ってしまう。後悔してしまう。そして疲れてしまう。
橋本さんに過去に連れて行ってもらって、自分にできることがあったのではないか、と思ってしまう。そして足掻いてしまう。決して過去を変えることは叶わないのに。それでも、最後オデッセイを降りるときには決心する。
お父さんとは、なんて辛いんだろう。でも健気に立ち向かってしまうんだよね。たとえ、どうしようもない現実に立ち向かうことになっても。それが家族の、息子のためならば。
けっこう、感動してしまいました。他の重松清作品も読んでみようかな、と思うほどに。

aquarium_girl"Aquarium Girl" - 「水族館ガール」

楽しく読み終わりました。
「お仕事小説」ですね(いや、本当は何と言うのか知りませんが)。市役所の観光事業課の職員、嶋由香は、いきなり私立水族館アクアパークへの出向を命じられます。しかも配属先はイルカ課というバリバリの現場。水生生物に関しては何の知識も経験もない由香は、戸惑うばかり。(館長曰く、「彼女、幼い頃に金魚を愛情深く育ててたそうですよ。もっとも、すぐに隣の猫に食べられたそうですが」)なんと無茶な出向、と思わずにはいられませんね。
しかも配属先には怖いチーフと無愛想な先輩が居て、いきなり「悪いが、今、素人に割く時間は誰にも無い」と言われてしまい、じっとイルカを観察するだけとなります。
とまぁ、のっけから楽しい職場環境に出会うわけですが、それでも水族館には、素人では窺い知れない種々の仕事があることに気付かされ、奮闘の日々が始まります。
まずは、水族館の抱えている種々の問題、特に相手が生物であるが故の根源的な問題が大きく立ちふさがります。イルカは哺乳類であり、肺呼吸をする水生生物であるという(当たり前の)ことに改めて気付かされます。
嶋由香の目を通して、水族館の仕事を(読者の私が)追体験しているように感じます。色々と驚くことや、知らなかったことなどを。そして、徐々にその仕事に「はまっていく」様子が。でも、「出向」の身ですから、いつかは市役所へ戻るのです。その日が近づくにつれ由香は迷います。
ちょっとできすぎのような展開(王道というかベタな展開)ですが、それでも本書には引き込まれました。何だかTVドラマを見ているかのようで、なーんも考えない私には楽しい本でした。
うーん、なんだか水族館にイルカショー(イルカライブ)を見に行きたくなってきた(笑)。

※ 本書は(原題が)「アクアリウムにようこそ」という単行本を、文庫化するときに「水族館ガール」と改題されたそうです。

the_sheep_pig「子ブタ シープピッグ」

楽しい本でした。映画「ベイブ」の原作です。
児童書らしく物語が優しい口調で語られていきます。母親代わりのシープドックのフライの愛情も本当の母親のそれです。ベイブは、ブタらしくない(?)賢いブタとして登場します。
そして、偏見を持たずに謙虚な姿勢で他者にあたります。羊たちも「マナーがいいね。」と言って、ベイブの言うことを聞いてくれるようになります。時には、羊泥棒や野犬にも飛び掛っていく勇気もあります。そしてまた、偏見の無い主人は、ベイブのシープピッグとしての気質を見抜き、競技大会に出場させるのです。笑いものになるかもしれないのに、です。そのときに、シープドックのフライのとった行動と、ベイブは。
映画も少し脚本が入っていましたが、概ね、この物語の通りに描かれていました。
やっぱりこの本も映画もそうですが、最後のシーンが忘れられません。ボスのホギットさんがベイブに対して最後に言った言葉、
"Well done, Pig. Well done."
そして、映画では、この言葉を受けてベイブが、「うふっ」と(うれしそうに)微笑んでいたシーンがありましたね。
この映画は、LD(Import版)で見たのが最初です。映画館では見ていません。DVDでも鑑賞しました。
あれっ、まずいぃ、Blu-rayでも見たくなってきた(笑)。

※ 2015.4.9 Blu-rayで見直しましたが、最後のホギットさんの言葉が違っていました。
"Well done, Pig. Well done.""That'll do, Pig. That'll do."
日本語字幕での意味は同じ、「よくやった」でしたが。

英辞郎 on the WEB: アルク: http://eow.alc.co.jp/search?q=that%27ll+do&ref=sa
"That'll do." → 「それでいいよ。/それでオーケー。」

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"Chat Noir Lucy" - 「くろねこルーシー 上・下巻」

連続テレビドラマ「くろねこルーシー」のノベライズ版です。残念ながら、このテレビドラマは見たことがありません。映画化作品は(WOWOWで)見た覚えがあるのですが。
文庫本カバー写真の上巻が「シー(メス)」、下巻が「ルー(オス)」となっています。とてもステキな猫ちゃんたちです。
全12章からなり、各章のタイトルが、「先人は言う。・・・」と「・・・」にことわざの一部が書かれています。ちなみに第1章は、「先人は言う。黒猫が横切るとなんたら・・・」となっており、主人公とくろねこルーシーとの出会いが描かれます。同様に他の章もことわざに因んだエピソードが綴られていきます。このあたりは、ドラマの脚本らしいですね。おそらく、章ごとにドラマ1話に相当するのではないかと(推測します)。
物語は、父と子との絆を取り戻す(かな?)様子が描かれています。ただ、主人公が父親を理解するときには、他界しているのですが。各エピソードで、主人公は都度父親のことを回想し、子供の時には理解できなかったがゆえに嫌悪していた父親の行動を理解するようになります。このときの作者の視線が優しい。特に誰を糾弾するわけでなく、淡々と語られていきます。
そして、リストラされ、無職となった主人公の選んだ職業は・・・。
この物語に、悪人は出てきません。ただ、意見の違いからの衝突はありますが。また、母親の幸子さんがたくましく、微笑ましい。面白くて、一気に読むことができました。

good_good_is_cat「グーグーだって猫である 小説版」

大島弓子作コミック「グーグーだって猫である」の映画化ノヴェライズ「グーグーだって猫である 小説版」です(あーっ、ややこしい)。原作コミックは読んだことは(見たことも)ありません。名前だけは聞いたことがあります。また、映画化されたことも、そー言えば・・・、という程度しか知りませんでした。唯一、昨年WOWOWでドラマ化された本作を見たのみです。
で、本作を読んでの感想ですが、「癒されました。」
サバを亡くした麻子先生の心情が分かります。家にも私が7歳のころから13年生きた猫がいました。三毛猫でした。眠るように亡くなりました。今でもよく思い出します。
映画も見たくなってきました。

marines_crimson_worlds_book_1"MARINES Crimson Worlds: Book 1" - 「真紅の戦場 最強戦士の誕生」

けっこう、軽く読むことができました。
淡々と生い立ちが描かれた後、海兵隊訓練のあたりから延々と戦争体験が述べられていきます。
いわゆるパワードスーツを纏っての戦闘となります。相手は同じ人類。光速を越える航法については、各星系にワープゲートがあるというだけの説明で、兵器についても説明は必要最低限。新兵器の登場もありません。ひたすら、海兵隊の死闘が描かれます。
その中で、どんどんと昇進していく主人公。(私にとってですが)何故昇進できるのかがよく理解できませんでした。特に才能があるようには描かれていませんでしたし。英雄的なエピソードもありませんでしたし。うーん、良く分からん。

2015.1

the_vizier's_second_daughter"The Vizier's Second Daughter" - 「宰相の二番目の娘」

ロバート・F・ヤング著「時が新しかったころ」以来の2番目の(私にとってはですが)時間SF長編となります。1985年の作品らしいです。登場するマシンの設定とかちょっと古臭くて、その科学的根拠等の説明は貧弱ですが、SFの名を借りたファンタジーとしてみれば、とても楽しい本です。
ジャンルはタイムトラベル物ですが、舞台は9世紀のアラビアンナイトの世界そのものです。
主人公、ヒロインの行動については、突っ込みどころが満載ですが、それをある程度無視することができれば、そのファンタジックな世界観が楽しく、ベースとなる千夜一夜とどのように結びつくのかが、ワクワクしながら読むことができると思います。少なくとも、なーんも考えずに読むことができる私(笑)にとっては、とても楽しく読むことができました。まさに帯にあるコピーのように「タイムトラベル・ファンタジー!」でした。最後にはやはり・・・というようなハッピーエンドもまた「時が新しかったころ」と同じでしたが、それもまたほっとするような展開でこの小説のテイストに合っているような、そのような印象を受けました。

itomichi_2_no_ito「いとみち 二の糸」

いやー、面白かったぁ。そして楽しかったぁ。
相馬いとの高校2年生生活が綴られます。メイド喫茶でのアルバイトも三味線によるミニコンサートもこなし、お店の方も(地方紙ですが)新聞に掲載されるまで(の人気店)になりました。
高校2年生になってから友人たちと一緒に始めた写真同好会。そこに新入生が入部(入会)してきます。中学生のときには相撲の県代表にもなった大柄な男子が。相馬いととの身長差、約40cm!。
そして相馬いとを取り巻く人々。それぞれが夢を抱き、将来を夢見て、あるいは恋に落ち、と様々なことが起こります。その度ごとにうろたえ、戸惑い、それでも一生懸命に向き合う主人公。その心根の優しさと、生来の引っ込み思案の性格が災いしてうまく想いを伝えられないことなど、微笑ましくも時にはもどかしくなるときもあります。いと本人は無自覚なのでしょうが、周囲の人達はそんな彼女を放って置くことができないのです。そんな作者の目線が優しく感じます。
続編もあるようなので、次が楽しみです。

shana_xxii「灼眼のシャナ XXII」

ついに最終巻です。
ここまで大きく広げた風呂敷をどのように畳むのか、と思っていましたが、見事に畳んでくれました。ここに至ってようやく坂井悠二の成し遂げたかったこと、シャナがやろうとしたことが明らかになり、最終決戦の行方が描かれました。
哀しい別れもありましたが、総じて誰もがあるがままに存在するということが実現できました。そして、新天地「無何有鏡」へと就く「紅世の徒」と「フレイムヘイズ」たち。
うーーん、そうきたかぁ。という新鮮な驚きと爽快感が読後感としてありました。ちょっと強引なところもあったような、なかったような・・・。でも読んでいる間は、全然何も感じさせないほどのスピード感でもって、引きずり回されてしまいました(笑)。次がどうなるのか、まるで予想できなくて、はらはらしながら。残りページが少なく、薄くなっていくのが惜しくなるほどに。
さぁ後は、外伝集を残すのみですね。本来の発刊時期からいくと、この第22巻(最終巻)の後は、第SIII巻だけのはずですが、第S巻、第SII巻を飛ばして本編を追っていましたので、第S巻から(これから)読むことになります。楽しみです。

shana_xxi「灼眼のシャナ XXI」

ついに「灼眼のシャナ」シリーズもあと1巻で完結となりました。
この巻では、最終決戦前半が描かれます。舞台は、御崎市。そして、坂井悠二は、友人達、吉田一美らと再会します、「祭礼の蛇」代行体として。そこで、創造神として吉田一美に最後の儀式に立ち会うように依頼します。
一方、シャナ達フレイムヘイズは、ほんの数人を除いて壊滅状態にあり、紅世の徒、「祭礼の蛇」との戦いの意義が見出せなくなっています。それでもシャナ達数人は、果敢に圧倒的な敵に戦いを挑みます。ここを最終決戦として。迎え撃つ「仮装舞踏会」の将帥たち。その戦闘の最中、吉田一美が下した結論とは。
というように様々な局面が交錯する中、最終決戦が展開されていきます。囮として立ち向かうフレイムヘイズ、切り札として隠密裏に進行するフレイムヘイズ。真正面から切りかかるフレイムヘイズ。スリリングな場面が続きます。次巻、最終巻が楽しみです。
それにしても、登場人物が多くて、誰が誰やらよく分からなくなってきました。記憶力の低下は加齢と共に自覚しておりましたが、理解力の低下もまた自覚させられております(ふぅ)。さぁ、それでもまだ記憶が残っている(?)間に次巻へ突入!

shana_xx「灼眼のシャナ XX」

(間に色々ありまして)やっと読み終えました第20巻。
「祭礼の蛇」による「大命宣布」を皮切りに、新たな局面へと突入する大戦。それは、フレイムヘイズ兵団の敗走・壊走となり、「引潮作戦」を実行せざるを得なくなり。
死闘に次ぐ死闘の場面が続きます。また、登場人物が多いため、混乱してしまいます(私だけかもしれませんが(汗))。戦うのは、共に人間でなく(フレイムヘイズは元人間)メンタリティが多少異なりますので、その戦法も大きく異なります。個人の持つ力の大小に天地ほどの差があるのもまた通常戦(人間同士の死闘)とは異なり、戦局を予測することは(読者は、いや私は)困難です。作者の思う通りに引きずり回される、ということでしょうか。作者の腕の見せ所ですね。
ストーリーも最終局面に向かいつつあります。スリリングな状況が続きます。ちょっと緊張感が保てずに疲れたりします(これも私だけのことかも(汗々))。はらはらしつつ、次巻に続くのが楽しみです。

claymore_20"CLAYMORE 20" - 「クレイモア 第20巻」

やっぱり我慢できずに先に読んじゃいました、「クレイモア 第20巻」。
ミリアが組織に向かい、留守にしていた聖都ラボナに5人の戦士が帰還します。そこで、彼女らが見た聖都の惨状は。というスリリングな場面からこの巻は始まります。
やっと帰還した戦士たちには休息する間もなく。ミリアを追って組織へと向かいます。ミリアの消息を危惧しつつ。
デネヴはかっこいいですね。ぶっきらぼうな物言いと態度とは裏腹に、仲間を気遣う様が見て取れて。ヘレンとはいいコンビです。
この巻で、「クレイモア」シリーズ全巻を読破したことになります。また、思い出しては読み返したくなる、そのようなシリーズでした。と言っているうちに、また読み返したくなってきた(笑)。

biblia_6「ビブリア古書堂の事件手帖 6 ~栞子さんと巡るさだめ~」

「古い本には逃れざる因縁が宿ります」・・・「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ第6巻です。
今巻は、太宰治の稀覯本にまつわるエピソードとなります。なんと第1巻で出てきた五浦大輔の祖父、祖母についてのエピソードも伏線となって絡んできます。まさに「巡るさだめ」のように。
毎回感じるのですが、書物(古書)に対する知識が豊富(というかよく調べてあります)で、その料理の仕方がうまい、と思います。ただ(たまたまですが)知っている本については、もうちょっと突っ込んで欲しかったとか、あぁ、あのことか、と思うこともありましたが(笑)。
これまでの第1巻~第5巻までの集大成のような感のある本書ですが、次巻が最終巻となるようです。五浦大輔と篠川栞子は結ばれるのでしょうか。してその結末は。次巻が楽しみです。

nekoben_5「猫弁と魔女裁判」

ついに完結編です。
完結編にふさわしくこれまでのエピソードに出てきたオールスターキャスト(ただし、第4巻は除く)による競演、そして裁判劇が展開されます。前巻にて登場したニセ弟もまた重要な役割を果たします。そして黒幕の正体も。
今回の百瀬太郎は、時に裏方に回り、周りの人々の動きにより、その行動が推測されるようになっています。徐々に明らかになる猫弁の不可解な行動の謎。ちょっと、はらはらしたりします。
でもやっぱり百瀬太郎は、百瀬太郎なのです。善意の塊のような性格に何の揺るぎもなかったのでした。そして、そのことにより感化されていく周りの人々。終盤に描かれる裁判の行方は。そのときに大福亜子の下した判断とは。結婚式は無事に挙げることができるのでしょうか。
最後の1ページをみるまで、ちょっとはらはらどきどきしました。エピローグではその微笑ましい展開にほっとしました。
読後感は「爽やか」であることには間違いありません。登場人物たちも必ずしも善人とはいえない人々ですが、百瀬太郎に次第に感化されてゆく様子が楽しい。結局は極悪人は一人もいない、ということにほっとしたりします。
もう少し、このシリーズを続けてくれても・・・と思うのは私ひとりでしょうか。後日談も読みたい、と思ってしまいました(笑)。

the_isolator_1"THE ISOLATOR realization of absolute solitude" - 「絶対ナル孤独者《アイソレータ》 1 咀嚼者 The Biter」

「ソードアート・オンライン」「ソードアート・オンライン プログレッシブ」「アクセル・ワールド」 に続く川原礫著の第4作目新規シリーズです。これもまたWebで公開していた作品のようです。文庫化にあたり大幅に加筆・修正したとのことですが。
ストーリーは、ライトノベルではベタな設定ですね。定番の「うつ」的な主人公と、それを取り囲む美少女たち。宇宙からの未知の飛来物に憑依されて異能の力を持ち、一方が異形の怪物となって人を襲う。また一方、主人公は怪物にならずに異能の力に覚醒し、怪物と闘う。という話ですね。
川原礫作品らしく主人公の心情が細やかに描かれていきます。アクションシーンも多く、退屈せずに一気に読んでしまいました。また、今巻は人物紹介的なところもありますが、まだ多くの謎が残ったままです。拡げた風呂敷をどのように処理していくのでしょうか。次巻が楽しみです。

separation「Separation - きみが還る場所」

市川拓司著「いま、会いにゆきます。」と同じ著者の作品です。この作品がデビュー作らしいです。そしてドラマ化したとも(全然、全く記憶にありませんが)。ドラマでは別のタイトルだったのかもしれません。
本作の内容もやはりファンタジスティックです。妻がどんどんと若返っていく、という。いわゆる妻が不治の病で別離、というような類の話なのかも知れません。知れませんが、文章を読んでみると分かりますが、定番の悲劇的・センセーショナルな場面は一切ありません。ただ、ただ、せつなく、文章が綴られていきます。そして、優しい文体で二人の愛情が描かれます。
相手のことだけを想う。両親の反対にあっても、どうしようもなく相手を選んでしまう。そして、そこに無上の幸せを感じる。
私達も、この小説の主人公のように純粋ではありませんが、似たような状況に遭ったことがあり、すぐに主人公に感情移入してしまいました。まるで他人事とは思えず・・・。
読後感は、「爽やか」と言うわけにはいきませんが、哀しいだけ、というわけでもなくやはり「せつない」というのが最も近い表現でしょうか。でも、最後にある予感をさせる文があり、それだけ(たった一行の文)ですが、なぜかほっとしてしまう、自分がいたりして。

nekoben_4「猫弁と少女探偵」

「猫弁」シリーズ第4弾!、です。
いつものメンバー勢揃いです。そこにシンデレラシューズ社長婦人の野口美里と同じマンションのお隣さん、滝之上京子(有名私立小学生、10歳)が今回新たに加わります。その京子が川べりから拾ってきた三毛猫が誘拐されて・・・。
それに「猫弁」玄関扉いたずら書き犯人、石森完太の家の事情も加わり・・・。
種々雑多な人間関係、色とりなす万華鏡のように絡まったつながりから、三毛猫誘拐事件から一筋の光が差すように、一つの風景が浮かび上がる・・・。
といったような風景描写のように各人の心情が映し出されていきます。誰もが極悪人でなく、主人公「猫弁」百瀬太郎の回りは優しい人々が取り巻きます。外から見れば、如何に悲惨に見えようとも、百瀬は前向きです。
ほのぼのとした読後感は相変わらずです。ただ、今回は謎がひとつ(伏線かな?)。百瀬の弟と名乗る人物の登場。明らかにニセモノと分かる人物であり、百瀬の自宅に盗聴器を仕掛けていった人物。うーん、気になります。そして、「次巻は最終巻!」のコピー。次巻が楽しみです。

shana_xix「灼眼のシャナ XIX」

この巻も全編、死闘の描写となっています。地上での戦闘、「神門」の奥からの戦闘が描かれています。両陣営とも徒やフレイムヘイズがバタバタと死んでいきます。
ただ、主要人物はやはりしぶとい。(結局は)サブラクのみが亡くなっています。フェコルーはあれでついに亡くなったのかな。ちょっと微妙です。
ところで帯にあるコピー、「私は悠二を倒す。」とあったのでてっきり「討滅」するのかな、と思ったのですがそうではなく・・・。うーん、うまい!
そして、ついに「祭礼の蛇」が「神門」より出てこようとしています。という場面で今巻は終わっているのですが、続きが早く読みたい。でも、手元にあるのはこの巻までなんですよねぇ。
ここでちょっと一休みして、積んであるシャナ以外の本を読むしかないのかぁ。
気長に続巻を探すことにします(笑)。

shana_xviii「灼眼のシャナ XVIII」

やっと第18巻です。やっとヴィルヘルミナ一行は、シャナとアラストール奪還のために、海底に沈んでいた「天道宮」を再び浮上させ、「星黎殿」へと向かう。うーん、その手があったか。
一方囚われの身であったシャナは、ヴィルヘルミナらの急襲の余波をかって、脱出。その際に「贄殿遮那」を召喚し、自身もまたフレイムヘイズの魔神として甦る。ちょっと強引なような気がしましたが、まぁいいか(ちょっと上から目線(笑))。
一方、フレイムヘイズ東西防衛線と「仮面舞踏会」は、ついに激突。その間にも、坂井悠二と三柱臣らは、「神門」を抜け、奥へとその「祭礼の蛇」本体へと向かう。
全編、戦闘、死闘の描写であって、攻める方、守る方からの視点から語られ、戦いの趨勢は二転三転します。フレイムヘイズ兵団の主力部隊もまだ機をうかがって待機している状態です。
カムシンの力がここで明らかになります。「壊し屋」と異名をとる訳も(笑)。緊迫感を伴ったスリリングな戦闘状況が続き、あっという間に読み終えてしまいました。
次巻もこの戦闘の続きとなるのでしょうか。楽しみです。

claymore_21claymore_22"CLAYMORE 21, 22" - 「クレイモア 第21巻、第22巻」

第20巻を飛ばして第21巻、第22巻を読みました。
死んだと思われたミリアが戦士全員を率いて組織に挑みます。そこで組織がとった対抗策は、「深淵喰い」を解き放つ間にかつてのナンバー1を蘇らすこと。かつてのナンバー1、カサンドラ、ロクサーヌ、そしてヒステリアの3人と現戦士たちとの死闘が繰り広げられます。
次々と斃される戦士たち。そして次々と覚醒していく、かつてのナンバー1たち。かつての因縁からカサンドラとロクサーヌが死闘を繰り広げる中、その混乱に乗じて、ヒステリアを斃そうと画策するミリアたち。
この2巻に渡って、死闘の様子が描かれていきます。
圧倒的な実力差に対してミリアが冷静に、かつ果敢に打開策を図り、決死の覚悟で立ち向かいます。この巻以降の戦闘でもそうですが、彼女のリーダーシップはさすがです。また、組織を壊滅させるという信念にも揺らぎがありません。
本編のヒロインであるクレアがしばらく姿を見せていませんが、それでも読者(私のことです、念のため)を惹きつけるキャラクターたちの活躍がストーリーを引っ張っていく展開は飽きることがありませんでした。もう一度、続けて最終巻まで読みたくなってきました(笑)。

shana_xvii「灼眼のシャナ XVII」

やっと第17巻を読み終えました。
この巻では、囚われの身になったシャナと「祭礼の蛇」坂井悠二、取り残されたヴィルヘルミナ、昏睡状態に陥ってしまったマージョリーなどの状況が描かれています。そして、坂井悠二はアラストール、三柱臣、教授とドミノ、サブラク、楽師ロフォカレとともに「神門」の奥に消え去ってしまう。そしてまた、来る決戦に備え全世界からフレイムフレイズが集結し、ヴィルヘルミナ達は独自にシャナとアラストール奪還のため、御崎市を後にします。
次巻以降の決戦を予感させつつ、今巻はここまでとなっています。いよいよ、というところですね。これまで見知った(読み聴いていた?)面々の他、新たに登場したフレイムヘイズもまたいて、頭の中がごっちゃになってきました(笑)。それにしても「神」と呼ばれる「紅世の徒」は何人いるのでしょうか。また、その持つ力が今一よく分かりません。うーん、ムズい・・・。

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